4月28日 火曜日 晴れ
朝晩はちょっと肌寒いが,お昼は気温がアップして暖かい。もしお昼のとき,外で散歩したら,汗が出るほど暑くてその上紫外線も強くてあまり外へ出かけないのだ。
小説の抜粋,前回の続き:
会議室についた。学生が数人まっていて,新しくはいってきた半沢と,もうひとりの男にすかさず視線を走らせてくる。ここでお互いがライバルだ。
「呼ばれるまでここでまっていてください。席はどこでもいいですから,座って」
窓際の椅子を引いて,十分ほど待つうちに先程から部屋にいた学生たちが呼ばれて消えていき,新たな学生が加わった。会話はほとんどない。空調設備から吐き出される空気の音だけが聞こえる程度だ。
「なんか,きんちょうしませんか」ふいに隣の学生が声をかけてきた。
「どちらの大学ですか」
「慶応」
「あ,僕もだ」
そういうと男はスーツの内ポケットから名刺を出した。今でこそ名刺をもっている学生は珍しくないが,当時としては,そういうことをするのはきどった連中だけだった。
差し出されたグリークラブの名刺を受けとった半沢はそこで初めて男の顔を直視する。育ちのよさそうな色白のふっくらタイプで,やけに背筋がぴんとしているのがいんしょうてきな男だった。
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