脳炎の定義(ていぎ)
脳炎とは何かという問い(とい)に単純明解(たんじゅんめいかい)な答え(こたえ)を与える(あたえる)のは難しい。脳炎という名称(めいしょう)を脳における炎症全体(えんしょうぜんたい)を包括(ほうかつ)するとみなす立場(たちば)に立てば、脳炎とは脳実質に主座(しゅざ)をおく炎症性反応(えんしょうせいはんのう)であって、一般(いっぱん)の炎症がそうであるように組織(そしき)反応を指す(さす)ことになる筈で(はずで)ある。これら一連(いちれん)の反応が脳に起こるのであるから、その特徴(とくちょう)は:1)ニューロン(neuron)あるいはグリア(gloea)を含め(ふくめ)た脳実質(のうじっしつへんせい)変性、壊死(えし);2)充血(じゅうけつ)、う、血(ち)、浮腫(ふしゅ)などの循環障害(じゅんかんしょうがい)、および血管(けっかん)の変化(へんか);3)白血球(はっけっきゅう)の浸出(しんしゅつ)、出血(しゅっけつ);4)神経(しんけい)、精神機能(せいしんきのう)の障害。
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