どうして体に悪いものを吸われるの?
さあ どうしてでしょう。
あまり 生に執着していないからでしょうか。
(四季)
死を恐れている人は いません。
死に至る生を恐れているのよ。
苦しまないで死ねるのなら
誰も 死を恐れないでしょ?
おっしゃるとおりです。
(四季)そもそも 生きていること
の方が 異常なのです。
死んでいることが本来で
生きていることは
それ自体が病気なのです。
病気が治ったときに
生命も消えるのです。
あなたは 死ぬために
あれを なさったんですね?
そう。
自由への イニシエーションです。
警察に自首されるんですね。
(四季)自首したのでは
死刑にならないかもしれませんね。
どうして ご自分で その…。
自殺されないんですか?
たぶん 他の方に
殺されたいのね。
自分の人生を
他人に 干渉してもらいたい。
それが 愛されたいという
言葉の意味では ありませんか?
犀川先生。
(四季)自分の意思で
生まれてくる生命は ありません。
他人の干渉によって
死ぬというのは
自分の意思では なく
生まれたものの
本能的な欲求では
ないでしょうか。
理屈としては分かりますが…。
いや やはり
僕には理解できません。
海は 月より人間に必要なものに
思えます。
(四季)それは
人間との関係が強いということ。
人間も 他の多くのものと
関係しているのですね。
そうです。
一人一人の人間の存在が
その周辺に影響を与えます。
でも 人は
周りの人や もののために
存在しているのでは
ありません。
つい 誰かのために なりたい
みんなの役に立ちたい。
それを
自分の存在の理由にしたいと
考えがちなのです。
存在の理由を分からないままに
しておけないのね。
常に答えを欲しがる。
それが
人間という動物の習性です。
欲しがっては いけないのですか?
(四季)いいえ。 欲しがることは
間違いでは ありません。
しかし
完全なる答えなど ないのです。
でも それを問い続けることは
とても大事なことです。
近づくことは できるのですね。
(四季)
そう考えればよいと思います。
でも 私にも まだ分かりません。
お母さまにも
分からないことがあるのですか?
もちろんです。
分からないことがあるから
人は優しくなれるのです。
どうしてですか?
(四季)全てが分かってしまったら
何も試すことができません。
何も試さなければ
新しいことは 何も起こらない。
人は 分からないことの答えを
知りたいと思って 追い求める。
そこに 優しさや懐かしさー
そして 喜び 楽しみが
生まれるのです。
私は お母さまに
いつも聞いています。
こうして答えを求めることで
私は優しくなれますか?
(四季)そうね。
私がいないときも
いつも問いなさい。
誰も答えてくれないときも
問い続けなさい。
自分で自分に問うのです。
それを 忘れては いけません。
それが あなたの優しさに
なるでしょう。
分かりました。 お母さま。
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