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小売業の情報化の進展と流通効率化の研究

小売業の情報化の進展と流通効率化の研究

作者: 小井卷甲矫正器 | 来源:发表于2018-11-28 10:57 被阅读0次

    王瀛

    はじめに

    長引く不況の中で、百貨店の苦戦が続いている。百貨店業は,17年2月期決算において、大手10社中8社が経常減益に陥るなど、その流通業界内での地位は、脅かされている。特にいわゆる地方百貨店は廃業(福岡玉屋)、本店売却(岩田屋)、経営危機(丸井今井)等、苦境に立っている。さらに大手百貨店においても、地方あるいは郊外立地の店舗を閉鎖あるいは業態転換を行うという内容のリストラクチャリング計画が相次いで発表されている(そごう、三越)。

    同様に、苦戦を強いられているのが、中小の商店であり、それを集積した商店街である。

    中でも、従業者規模1~4人の零細店は、高齢化;後継者難等も相まって、平成6年の商業統計においては、前回調査時点(平成3年)から商店数で1割以上の大幅な減少を示している。さらに、商店街の空き店舗問題が深刻化し、空き店舗比率が10%を超える商店街が全体の1/3を占めている。

    他方、こうした小売業一般の厳しい状況の中にあって、新たな業態が登場し急速に成長を遂げている。具体的には、24時間営業のコンビニエンスストア、あるいはロードサイドのディスカウンターの急成長がその代表的な事例である。しかし、これらの新しい業態は、生活者のすべてのニーズを満たすことは出来ていない。それは、これらの業態が、取引先を絞り込み、大手製造業との直取引によるコスト削減を至上としているからである。中小卸やまたその傘下にある中小製造業の取り扱い商品は、消費者の手にはこれらのルートを経ては届きにくい。

    私は、百貨店に勤務している。消費不況の中で、私が勤めているT社も、業績を落としているが、その中にあって、様々なリストラクチャリングに取り組んでいる。不振店舗の閉鎖をはじめ、チェーンオペレーションを取り入れ、仕入れの集中化、取引先の絞り込みを行った。その結果、T社は、百貨店業界の中では、いわゆる「勝ち組」との評価を受けている。その対策は、イトーヨーカドー等に倣い、ローコストオペレーションを志向しており、仕入れ機能の集中やメーカーとの直取り引き等の戦略を行ってきた。これらの方策は、コストの引き下げには大きなメリットがある。しかし、多様化や個性化し、高度化する消費者にはたしてこのまま受け入れられるといえるのだろうか。特に、百貨店は、価格での競争を原則として行わず、個人の趣味や嗜好に合わせた品揃えを、地域特性に合わせて細かく行うことによって差別化を行ってきた業種である。ローコストを至上とするオペレーションについては、いまなおT社の現場からはそれを疑問視する声も聞かれる。それらの対策によって、短期的な利益は出ているが、長期的に売上を拡大するビジョンを見出し得ないのが当社のみならず百貨店のおかれた現状である。

    消費需要は、個性化;多様化;高度化が進展し、大きく変化している。生活者の商品に対する要求が、価格だけでなく、品質や個性の実現性を重視し、そしてその要求水準は高くなってきている。小売業にとっては消費者の利益の増進を図ることが最も重要であり、選択の多様性に富んだ、質の高い商品を提供することは小売業の社会的使命である。

    しかし、今、地方においては、中心商店街は寂れ、核になっていた地方百貨店、あるいは大規模なGMSは廃業;退店し、国道沿いのロードサイド店舗だけが目立つ。地方に住む消費者にとっては、消費行動の幅が狭くなってきつつある。

    今後、高齢化が急速に進展する中で、百貨店、商店街等は、自家用車等の利用が困難な高齢者等に対して、身近な購買機会を提供することによって大きな役割を果たすことが期待されている。さらに、百貨店や商店街等は、人々が集う、暮らしの「広場」としての役割、地域の文化;伝統の保持;振興など地域コミュニティの核の役割を果たしてきた。こうした街づくりを進める上での重要な役割をも踏まえれば、これらの小売業の社会的な重要性は、ますます高まっていくものと考えられる。

    この不況下に小売業が生き残るためには、より一層の効率化を果たさねばならない。ただし、その「効率化」は、一部企業でみられるように、中小の製造;卸売業や、また新しく生まれてきたベンチャー企業との取引の切り捨て、あるいは地方不振店舗の切り捨て、地域の核としての機能の喪失によって行われてはならない。

    しかし、効率化への答えは、企業の内部で日常の仕事をこなす中では見出し得ない。もっと広い視野にたって、研究をしていく必要がある。それが、大学院において、研究を希望する理由である。

    先行研究および企業の現状

    小売業の情報化は急速にすすみ、それが効率化への一つの回答になっている。通産省産業政策局・中小企業庁がまとめた、「21世紀にむけた流通ビジョン」(1995)においても、「流通業のトータルの効率化に対して情報化は非常に有効な手法であり、その積極的な促進をはかることは極めて重要である。」として、製造と物流(配送)、小売(販売)をトータルに結び付け、「情報化を核として製配版が連携をはかった流通システム間の競争へと転換している」と指摘している。

    90年代に入り急速に、「関係性マーケティング」「One to One マーケティング」「顧客主導マーケティング」等の名称の新しいマーケティング手法が注目されている。これはメーカー主導のマ;マーケティング、または、市場飽和期にきた先進国のマーケティングに警鐘をならす新しい概念の一つとも言える。論者によって、名称およびその概念は様々であるが、和田充夫(1998)によれば、従来の「量のマーケティング」、すなわち、標準化された商品をより安いコストでより多くの人々に普及させること、が、社会の成熟化、多様化によって限界に達したことにより、「質のマーケティング」が求められてきた、ことから、従来のマーケティングの見直しが必要になったとされる。

    80年代に入り、社会の成熟化が進んでくるに従って、博報堂がまとめた「分衆」概念に代表されるがごとく、市場細分化に対応し、セグメンテッド;マーケティングへの移行が行われた。企業も、多様なセグメントへの効果的なマーケティングを追求したが、単にマス;マーケティングよりも市場規模が小さくなっただけであった。

    90年代に入り、急速なIT技術の発達は、顧客とのワン;ト;ワン(一対一)の相互関係を前提としたマーケティングが可能とした。DonPeppers,Martha Rogers (1997)によれば、顧客との関係性を前提としたリレーションシップ・マーケティングを情報テクノロジーで武装することにより、顧客一人一人を把握し、一対一で対話し、個別の仕様に従ってカスタマイズ(個客化)した製品;サービスの提供を可能にした。消費者の個性化&;多様化が進展する中で、ワン;トゥ;ワン;マーケティングの重要性の認識が高まっている。

    顧客と直接に接する流通業は、卸売業や製造業に対し、店頭での顧客ニーズを伝えるという役割を担う。そのニーズにあった品揃えを実現し、顧客満足を実現した企業が市場において勝利を収める、という構図が出来上がりつつある。

    小売業において、「顧客の満足」の重要性は計り知れない。百貨店の経営ビジョンには「顧客」あるいは「お客様」の文字が必ずといってもよいほど取り上げられる。日々、顧客と接する小売業にとっては顧客満足の重要性は自明である。顧客一人一人を識別し、それに対応するということは、小売業においては、昔はむしろ、あたりまえのことであった。商店街の、例えば魚屋にとっても、近隣に住む主婦を覚え、識別し、その好みや家族構成に合った商品提案やサービスを行うということは、繁盛する店の常識であった筈である。

    しかし、その顧客満足を支えるには、のためのサービス分野における高度なスキルは、多くの場合、属人的で、長い修練や訓練の蓄積によって得られるものであった。それゆえに、熟練した従業員を多く抱える百貨店は、人件費負担から、低収益体質にあえいでいる。また、商店の減少には様々な要因があるものの、その一つが後継者難であることは想像に難くない。

    ローコストと、高度なサービスのある意味で矛盾する目標の実現を目指して、小売業は、クレジットカードを手がかりとした情報化をすすめている。企業のカード戦略は、顧客情報をきめ細かく反映させたマーケティング戦略の展開に役立たせようということにある。例えば、西武百貨店は、「クラブオンカード」を導入した。これにより顧客は富裕層の主婦のセグメントであるという前提を覆した。カードホルダーの情報により、同社の主要顧客セグメントが若い層も含めたOLである事が判明したという。大手流通業は何らかの形で顧客カードを発行している。IT化の進展によって、カード発行に関する費用が比較的安くなったこともあり、最近では、その流れは、商店街にまで及んでおり、商店街単位での取り入れもブームといえる様相を呈している。

    消費者が個性化;多様化;高度化し急速に変化する中で、消費者のニーズを商品構成;商品開発にフィードバックしていく機能がより強く求められるようになってきている。今日の小売業においては、変化する消費需要を的確に把握し、消費者の厳しい要求水準にマッチした商品の提供を速やかに行うことが重要な課題となっており、このためには、単に規模のメリットを追求するのではなく、情報化;システム化をいかに進めるかが小売業における競争の重要な要素となってきている。

    しかし、情報の蓄積しそれを分析する環境は整いつつあるものの、それを実際の役立たせるところまで到達している企業は、私の知る限りにおいては少数である。またその少数の企業も、商品の情報を、小売から製造へ、フィードバックする、「製販の関係強化」という方向性で研究されている。(和田 1998)

    しかし、小売業のマーケティングは、他企業との関係において、「製販」のジョイントのみで完成するものではない。清水(1997)は、他企業とのマーケティングを、1.地域的ジョイントマーケティング2.水平的ジョイントマーケティング 3.垂直的ジョイントマーケティングの三つにわけてそれぞれ一章をあてて論じている。このうち、3.垂直的ジョイントマーケティングは、ここで論じてきた「製販」の関係の概念にごく近い。しかし、小売商業が昔から、特定の狭い地域に軒をつらねて、その集積によって顧客を吸引する、「地域的ジョイントマーケティング」への、情報化の応用は、まだまだ手がついていない。顧客情報を分析し、「店づくり」「街づくり」に活かしていくかついては、研究が遅れている。カードを取りいれた商店街も、顧客情報は収集したものの、それを活かすすべを知らない。

    研究が遅れた理由はいくつか考えられるが、主にIT技術がそこまで到達していなかった、ということが主であろう。顧客情報を分析し、「店づくり」「街づくり」に活かしていくためには顧客情報と商品情報を結びつけて分析しなくてならないと考えられるが、それは情報量が膨大になって、処理するのに、スーパーコンピュータ、超並列型コンピュータが必要とされる。コンピュータの技術革新とコストダウンによって普及がはじまったのは近々ここ数年のことであって、研究はまだまだこれからはじまると思われる。

    研究の目的および内容

    小売業の情報化の進展が流通効率化にどのようなインパクトがあるのかを明らかにする。

    1. 既存統計から、小売業における情報化の進展状況を明らかにする。

    2. 小売の業種毎に、情報化の目的、手段、方向性を考察する。

    3.顧客情報を分析、「店づくり」「街づくり」への応用について考察を加える。

    などを考えているが、具体的な研究方法は大学院で学ぶ中で考えていきたい。

    参考文献

    経済企画庁物価局物価管理室(1986)「カード化と流通効率化」(大蔵省印刷局)

    嶋口充輝(1994)「顧客満足型マーケティングの構図」(有斐閣)

    清水滋(1997)「小売業のマーケティング」(ビジネス社)

    日経流通新聞(1998)「流通経済の手引」(日本経済新聞社)

    通商産業省産業政策局・中小企業庁(1995)「21世紀に向けた流通ビジョン」(通商産業調査会)

    Don Peppers,Martha Rogers (1997)「One to One企業戦略」(ダイヤモンド社)

    和田充夫(1998)「関係性マーケティングの構図」(有斐閣)

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