日本人は恩と義理を大切にします。日本人の価値観の中心が恩義であり、信義である。一度恩を感じたら恩を返すまで際限がないのである。日本では、育ててもらった恩を親に返す「親孝行」やお世話になった人に恩を返す「恩返し」という概念があり、それが美徳と考えられています。人から受けた恩や義理は、返す必要があると考えられており、もし恩を返せず、義理を果たせなかったら、恩知らず、恥知らずとして周囲から非難を浴びることとなります。もちろん日本以外の国でも、他者から受けた恩は返すことが一般的ですが、日本人ほど律儀に恩を返し、義理を果たそうとする民族は珍しいと菊と刀は伝えています。金銭の貸し借りに例えることで、日本人の恩や義理に対する観念を菊と刀は説明しています。人はお金を借りたら、必ず返さなければなりません。日本人の日常的な恩や義理は、アメリカ人にとっての金銭の貸し借りと例示することで理解できると、菊と刀は伝えています。この恩を返すことをよしとする考えは、階層社会の中での秩序を維持することと結びついていました。
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