皆さん、お久しぶり。楓です。ようこそ、日本最前線へ。
あのう、気象用語としては一年中使われている「霧」を言ったら、頭の中では何を思い浮かべますか。かつては、春の「霞」に対する秋の風物でした。夜霧、夕霧、朝霧、狭霧…ちょっと思いつくだけでも、秋らしい美しい響きを持つ言葉が多いと思いませんか。
今回は霧にまつわる美しい日本語を紹介するよ。
さあ、始めましょう。
霧の香
「香」と言っても、特に霧の匂いを指すわけではなく、霧が立ちのぼっていく様子を、お香の煙に見立てた言葉です。そういえば、春の霞は、あまり立ちのぼるとは言いません。秋の澄み切った空気の中を立ちのぼっていく霧…。その時、ひんやりとした気配が香るように感じられるのかもしれません。
細小波
「いさら」は「少しばかりの」という意味を添える接頭語です。では「細小波」は、小さな波のことかと思えば、そうではなく、霧のことをいいます。大海原のような空を、たゆたうように動いていく霧…。それを小さな波に例えたというわけですね。
細小波がひいたあとには、おだやかで静かな空が広がります。
嘆きの霧
「嘆きの霧」はため息のことです。そういえば、心が晴れないことやわだかまりのことを、「心の霧」「胸の霧」などといいます。心に立ち込めた霧が、ため息として外に出ていくように思えたのかもしれません。しかも古代の人は、ため息が霧になると信じていたようです。霧が立てば、嘆いている人がどこかにいると思ったことでしょう。
皆さん、いかがでしたか。霧の美しさを感じているでしょうか。僕の説明だけでは不十分でしたら、霧のビデオもご用意しておりますので、御覧ください。さあ、今日は以上になります、皆さん、おやすみなさい。
主播:枫邺
小编:薪火相传
责编:日语之声
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