そもそも宇宙建築って何?–月面に「快適な住宅」をつくる構想を解説(原文链接)
浅聊在月球上盖房的构想(日文翻译)
封面原文:
そもそも宇宙建築とは
宇宙建築と聞くと、多くの人はSF映画に出てくる宇宙基地などを想像するのではないでしょうか。しかし、宇宙建築の実現はそう遠い未来の話ではなく、現実味を帯びつつあります。既に世界各地で研究や開発が行われています。
そもそも、宇宙建築とは、地球圏外に建設される人間が暮らすための構造物のことです。大きく3種類の構想が進んでおり、1つ目は国際宇宙ステーション(ISS)のような宇宙空間に浮かぶ構造物、2つ目は月面の建築、3つ目は火星の建築です。本記事では、特に研究が進んでいる月を設計対象地とした計画について紹介します。
翻译:
宇宙建筑是什么
一听到宇宙建筑,很多人会联想到科幻电影中的太空基地。但是,宇宙建筑已不是太遥远的事情,它正逐渐变得有现实意义,当今世界各地正进行着相关的研发。
宇宙建筑指的是在地球圈外建造供人类居住的建筑物。目前在进展中的有3种类型,第1种是像国际宇宙空间站(ISS)那样浮在宇宙空间中的建造物,第2种是月球表面的建筑,第3种则是在火星上的建筑。在本文中,专门对以月球为设计对象的研究计划进行介绍。
原文:
「月面住宅」を3Dプリンターで建設する米ICONの構想
「Project Olympus」は、3Dプリンティング技術を用いて月面住宅を建設する計画です。大型の3Dプリンターと電源の太陽光パネルのみで、建物を施工できます。
Project Olympusは、米国のベンチャー企業ICONが主導し、NASAから資金援助を受けています。ICONは2017年の創業で、3Dプリンターを用いた建設技術を開発しています。2018年には米国初の3Dプリンター技術による住宅建築の許可を取得し、実際に住宅の建設に成功した実績もあります。
このプロジェクトでは、構造材として月の表面を覆う砂(レゴリス)が採用されています。ICONは、レゴリスにほとんど何も加えず、マイクロ波やレーザー、赤外光などを使ってレゴリスの状態を変化させ、3Dプリンティングの材料にする方法を研究しています。
しかしなぜ、地球上に存在せず検討することが難しい月のレゴリスを、材料として使おうとしているのでしょうか。それは、宇宙建築の材料は現地調達することが望ましいからです。
材料を調達する方法は「地球から持っていく」「現地で調達する」の2択ですが、地球から持っていく場合はロケットを何度も打ち上げる必要があり、莫大なコストがかかります。そのため、現地調達できる材料で設計する必要があるのです。
また、地球の一般的な建物の設計では、初めに用途やコンセプトから大枠を設計することが主流です。そのため、初めから詳細に材料を決定するという設計プロセスの違いは、地球上の建築と宇宙建築の大きな違いかもしれません。
宇宙建築の材料は、宇宙で構造物として成立可能で、さらに激しい温度差や有害な放射線などから人間を守る能力が求められます。Project Olympusでは、月面における熱や放射線、隕石から人間を守れる堅牢な建築にするため、構造材としてレゴリスが採用されました。
さらに、材料選定時には、組み立て方法(人間 / 機械)などの、施工性も考慮する必要があります。地球上で一般的な構法(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)を利用できれば、多くの技術的知見を生かせそうですが、そう簡単にはいかないようです。そこで、前述の3Dプリンティング技術が採用されたようです。
一方、宇宙で実現可能な構法を、地球にも適用することは可能であると考えられます。今後3Dプリンティング技術以外にも宇宙建築において新しい構法が考案され、地球上の建築もより面白くなっていくかもしれません。
月面などにおける宇宙建築の実現が早まることだけでなく、建築全体の技術的・意匠的なレベルが上がることも、建築業界が積極的に宇宙分野へ参入することの重要な意義であると感じます。
翻译:
美国ICON公司构想用3D打印技术打造“月球房屋”
“奥林巴斯项目”(project olympus)利用3D打印技术建造月球房屋,计划只需要大型3d打印机和太阳能电池板就可以进行施工。
“奥林巴斯项目”由美国风创公司ICON主导,并得到了NASA的资金援助。ICON公司于2017年创业,开发了基于3D打印的建筑技术。2018年,该公司获得了美国首个3D打印住宅建造许可,在建造实体房屋方面取得了成功。
该项目采用覆盖月球表面的沙子——月壤(legolis)作为结构材料。ICON几乎不给月壤添加其他物质,而是使用微波、激光、红外光等方式改变它的性状,研究将其作为3d打印材料的方法。
为什么要把地球上没有又难以研究的月壤作为材料来使用呢?这是因为建筑材料的获取方式最好是就地取材。
因为建筑材料的获取方法只有“从地球运输”和“就地取材”两种选择,如果选择从地球运输,就需要多次发射火箭使得成本极其高昂,所以就地取材就成为了不二选择。
还有,在地球上设计一般建筑物,最开始通过用途和概念来决定框架的方案是主流做法。而一开始就详细决定建筑材料的设计方案,应是地球建筑和宇宙建筑设计中最大的不同。
宇宙建筑的材料,不仅要有能在宇宙中构建房屋的能力,还要求有对剧烈温差和有害放射线下保护人类的能力。“奥林巴斯项目”为了建造坚固的建筑,从而保护人类不受月球表面的热辐射、放射线以及陨石等的伤害,采用了月壤作为结构材料。
此外,在选择材料时还得考虑到装配方法(人/机器)方面的施工性能。如果能利用到地球上的构造法(木结构、钢结构、钢筋混凝土等),通过现有的成熟技术来施工会更好,但在宇宙中实际情况远非如此简单。所以采用了前面提到的3D打印技术。
话又说回来,在宇宙中能够实现的建筑构造方法,也有可能重新用于地球。所以今后3D打印技术不光能在宇宙建筑上大放光彩,地球上的建筑也一定会受其影响变得更加有趣。
因此,要是早日能实现在月球表面构建太空建筑的梦想,不仅能提高建筑行业整体的技术、设计水平,还有着推动建筑业积极参与到宇宙领域的重要意义。
原文:
ROSENBERG SPACE HABITAT:快適な居住環境を追求
上記とは別に、自然科学だけでなく心理学などの視点から多角的に住環境を検討し、人間が快適に居住できる月面住宅「ROSENBERG SPACE HABITAT」の構想もあります。
デンマークのSAGA Space Architects(SAGA)が開発した同住宅は、高さ約7m、2.5階建ての月面住居のプロトタイプとして設計され、SpaceX社の宇宙船Starshipの中に納まるサイズとなっています。
この建築は、閉鎖的で単調な月面空間における快適性に着目して設計されています。ISSは、人間が生活できる最低限の環境は保持されていますが、快適とは言い難い環境です。そもそも、限られた資源の宇宙空間で人間が生活できるようにするだけでも高度な技術が必要であり、居住空間の快適性まで検討して設計されていませんでした。
しかし近年、宇宙で人間が滞在できる環境に対する考え方は、「最低限生活可能な環境」から「快適に感じる環境」の実現にシフトしています。SAGAは、長期間の生活が前提となる月面の建築においては、心身の健康を損ねない快適な環境が必要であると考え、同住宅を設計しました。
翻译:
罗森博格太空居所:追求舒适的居住环境
除了从自然科学的角度考虑外,还有从心理学等其他角度综合分析人类在太空的居住环境,因此构想了人类能舒适地生活的月球居住地——“罗森博格太空居所”(ROSENBERG SPACE HABITAT)。
“罗森博格太空居所”由丹麦的SAGA Space Architects (SAGA)公司开发,按照高约7m、2.5层的月面住宅的原型设计,尺寸足以容纳SpaceX公司的宇宙飞船Starship。
该建筑是着眼于封闭单调的月面空间而提升舒适性所设计的。国际空间站的设计是保持人类能够最低限度生存的环境,但很难说是个舒适的环境。本来人类要在资源有限的宇宙空间中生活就需要很高的技术,所以在设计时并没有考虑到居住空间的舒适性。
但是近年来,对于宇宙空间中人类所处的环境,从“最低限度的生存环境”开始向“感到舒适的生活空间”转变。SAGA考虑到以长期生活为前提的月球居住地,需要建立一个有益于身心健康的舒适环境。
原文:
無機質な閉鎖的空間で孤立状態になることは心に大きなストレスを与えることから、ROSENBERG SPACE HABITATは2名の居住想定で、内部空間は居住者が適度な刺激を得られ、体内時計を維持できるように工夫されています。
最上階の2.5階は、柔らかいテキスタイルで壁面と天井が覆われた就寝キャビンです。その下の2階はリビングスペースで、建築内の全機能を制御できるダッシュボードや折りたたみ式テーブル、ワークスペース、収納などが備え付けられています。
1階にはエアロック式の部屋があり、中にトイレやシャワーがあります。階の移動は、備え付けられたはしごを使って行います。
また、この建築では、月面で狂ってしまう考えられる体内時計を調整する設計を取り入れています。人間の体内時計はおよそ25時間ですが、地球上では太陽光を浴びると24時間にリセットされます。
しかし、月と地球では、昼夜の周期が大きく異なります。月の1日(太陽が昇って沈み、次にまた昇るまでの時間)は地球上で約27日です。月では、地球の2週間のあいだ昼間が続き、その後2週間夜が続きます。これが、月で体内時計が狂ってしまう要因です。
月で体内時計を維持するために、ROSENBERGには、地球上と同じ周期で自然光を再現したサーカディアン照明が導入されました。サーカディアン照明の有効性について、SAGAは2020年にROSENBERGのもととなったLUNARKという建築実験で確認したといいます。
LUNARKの実験では、-30℃にもなるグリーンランド北部を月に似た過酷環境として実験場所に選定し、実際にLUNARKを設置して2名の設計者が60日間滞在しました。建築内に設置されたサーカディアン照明で夜明け、日の出、昼光、夕焼けなど様々な自然光のパターンを再現した結果、正常な睡眠ホルモンの分泌が確認され、自然な睡眠サイクルの確保に成功しました。
翻译:
一个人在无机质的封闭空间中处于孤立状态会给心灵带来巨大的压力,所以“罗森博格太空居所”设想至少有两个人共同居住,内部空间的设计是为了让居住者得到适度的心理刺激,以维持自身的生物钟。
最上层的2.5楼,是用柔软的纺织品覆盖了墙面和天花板的寝室。2楼则是生活空间,配备了可以操控建筑内各项功能的面板、折叠式桌子、工作区以及收纳空间等。
1楼设置了气闸室,里面包含厕所和淋浴间。楼层间的移动采用连接的梯子进行。
此外,“罗森博格太空居所”的设计亮点在于能够自动调整在月球表面居住者被打乱的生物钟。科学表明人的生理时钟约有25小时,在地球上由于受到太阳光的照射,会自动重置为24小时。
但是,月球和地球的昼夜期大不相同。月球上的1天(太阳从升起到落下,然后到再次升起的时间)约等于是地球上的27天。也就是说在月球上,持续两周的白天后又是两周的夜晚。这就是月球上生物钟紊乱的主要原因。
为了在月球上维持生物钟,“罗森博格太空居所”再现了与地球上相同周期自然光的昼夜照明系统。SAGA公司在2020年主持的月球建筑实验中确认了该照明系统的有效性。
在这项月球建筑实验中,将零下30摄氏度的格陵兰北部作为与月球相似的严酷环境选定为实验场所,并由2名设计者在里面居住了60天。通过建筑内设置的昼夜照明灯,再现了黎明、日出、午后、晚霞等各种自然光,保持了居住者正常的睡眠激素分泌,成功确保了自然的睡眠周期。
原文:
このように、宇宙建築の設計では、地球での当たり前を適用することができず、人間が健康に生きるために必要なことについて考える必要があります。特に照明や空調などの建築設備に着目すると、改めて「人間にとって快適な環境とは何か」を考えさせられます。宇宙の視点で人間の快適性を見つめ直すことにより、宇宙のみならず、地球上の建築環境も向上させることに繋がるでしょう。
翻译:
综上所述,在宇宙建筑的设计中不能套用地球上的常识,而必须思考为了人类健康生活所必需的东西。特别是要关注照明和空调等生活设备,想清楚“对人类来说舒适的环境是什么”这个命题。从宇宙空间的视角重新审视居住的舒适性,不仅对于宇宙,地球上的建筑环境也会得到进一步改善。
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