切符ってなに?
“车票”是什么?
「きっぷってなに?」と題する一風いっぷう変わったポスターがこの春、埼玉県のJR越谷(こしがや)レイクタウン駅にお目見えした。券売機けんばいきで買える切符の種類しゅるいや使い方をイロハのイから説明する
“车票是什么?”——今年春天,埼玉县JR越谷laketown站的海报上出现了这么一句别出心裁的标语。票面上说明了售票机可买到的车票种类及使用方法。
▼券売機けんばいきでは往復おうふく切符が買えません、途中下車しても差額さがくは返金されません、と丁寧である。「切符が何かわからないという問い合わせが月1、2件はあります」とJR東日本大宮支社。幼いころから交通系ICカードに慣れ親しんだ若者が多い。東京圏でSuica(スイカ)の運用が始まってもう19年目だ
且附带温馨提示:自动售票机不能购买往返车票,中途下车不会返还差价。据JR东日本大宫分店称,“每个月大概都会有1、2次乘客来咨询车票的使用方法。”很多年轻人从小就开始接触交通卡,今年东京圈西瓜卡自投入使用以来也进入第19个年头了。
▼さかのぼれば大正たいしょう時代、切符は「テケツ」とも呼ばれた。チケットの発音から生まれた。明治のむかし、駅はステーションではなく「ステン所(ショ)」。こちらは長く使われたらしい
追溯到大正年间,车票被称作“teketsu”。该发音由“ticket”而来。在明治年间,车站不叫“station”而叫做“sutennsyo”。似乎后者也被人们长期使用了一段时间。
▼まさに言葉は世につれ、世は言葉につれである。この秋、ラグビーW杯から一気に広まった「ONE TEAM(ワンチーム)」が今年の流行語りゅうこうご大賞に決まった。ほかには「タピる」や「闇営業」も受賞じゅしょうした。どれが長生きして、どれが短命で終わるのか
正所谓“时代催生语言,语言影响时代。”今年秋天,橄榄球世界杯风靡一时的“ONE TEAM”获得了今年的流行语大奖。其他还有“喝珍珠奶茶”“接私活”等也分别获奖。不知道哪一个流行语长寿,哪一个短命呢?
▼一世を風靡(ふうび)しながらはかなく消えた言葉は星の数ほどある。「アタピン」は飲むとすぐ頭がピンと痛む悪い酒。「一六(いちろく)銀行」は質屋しちや。一と六を足すと質(しち)の音になる。逆にいまでも通用つうようする流行語りゅうこうごもある。「サボる」「アル中」「へなちょこ」
风靡一时后黯然退场的词语数不胜数。“アタピン”是指喝完立马头疼的劣质酒。“一六銀行”指的是当铺,因为1加6等于7(质)。相反也有使用至今的流行语,如“偷懒”“酒精中毒”“废物”。
▼永久えいきゅうに不滅ふめつかと思われた「切符」がこの先もし死語しごになる日が来るとしたら、「電話」「紙幣しへい」「印鑑いんかん」は大丈夫だろうか。どんな言葉であれ、かつ消えかつ結むすびて、久しくとどまりたるためしなし。
我们曾认为“车票”一词永远不会消失。如果它消失的那一天到来时,“电话”“纸币”“印章”又能否幸免于难呢?无论什么语言,总会有新旧更替,没有一词可常驻。
【天声单词】
▲一風(いっぷう):①一つの流儀。②態度・やり方などの、ほかとちょっと変わっているさま。
▲ポスター(poster):①広報や宣伝のために掲示する貼り紙。絵・写真・文字などで構成された,比較的大形のものをいう。
▲券売機(けんばいき):①乗車券・入場券などの販売機。
▲往復(おうふく):①行きと帰り。②行って帰ること。行ったり来たりすること。③言葉や手紙のやりとり。
▲差額(さがく):①二つの金額の違い。差し引きの金額。
▲ステーション(station):①駅。停車場。②ある業務を集中的に取り扱う所。③詰め所。
▲風靡(ふうび):①風が草木をなびかせるように、多くの者をなびき従わせること。
▲質屋(しちや):①物品を質として預かり、金銭を貸し、利子を得る職業。また、その店。江戸時代以降の庶民の金融機関。中世には土倉(どそう)と呼ばれた。質店(しちみせ・しちてん)。
▲通用(つうよう):①広く一般に用いられること。②世間一般に理解され、受け入れられること。また、有効なものとして認められること。③双方に通じて用いられること。④いつも出入りすること。⑤心を通じること。
▲不滅(ふめつ):①滅びないこと。永久になくならないこと。また、そのさま。
▲死語(しご):①過去に使用された言語で、今では一般の言語生活上使われなくなった言語。古代ギリシャ語・古代ラテン語など。②「廃語(はいご)」に同じ。→活語
▲印鑑(いんかん):①はんこ。印。②あらかじめ地方自治団体や銀行その他取引先などに提出しておく特定の印影。印の真偽を見分ける基礎となるもの。
【背景资料】
第36回 2019年 授賞語
年間大賞
ONE TEAM
ラグビー日本代表チーム さん
「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」の公式キャッチフレーズで始まったラグビーワールドカップ2019日本大会。日本代表チームは開幕戦のロシアに勝利すると、アイルランド、サモアそしてスコットランドを撃破、予選プール4連勝で日本ラグビー史上初の決勝トーナメント進出を決めた。日本代表の快進撃と1個のボールを取り合う面白さは多くの人々を虜にした。テレビの視聴率はうなぎ上り、日本代表のレプリカジャージは完売し、ラグビーを始める子どもたちも急増したという。その熱狂の源となった日本代表を率いるジェイミー・ジョセフヘッドコーチが掲げたテーマが「ONETEAM」である。ジョセフはチームに必要な選手たちを国籍問わず招集し、31人の代表選手を選んだ。どんな強豪チームでも選手たちの思い、心が一つにならなければチームとして機能しない。7カ国15人の海外出身選手を含む31人はリーチマイケル主将を中心に桜の戦士ONE TEAMとして結束し、快進撃を続けた。ONE TEAMは、世界に広がりつつある排外的な空気に対する明確なカウンターメッセージであるとともに、近い将来、移民を受け入れざるを得ない日本の在り方を示唆するものとなった。それは安倍総理にもしっかりと伝わったと信じたい。
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