桃園の巻(ももぞののかん)
黄巾賊(こうきんぞく)
一
後漢(ごかん)の建寧元年(けんねいがんねん)のころ。今から約千七百八十年ほど前のことである。
田:后汉末年。距今约一千七百八十年前。
王:话说此时正是距今一千多年前,东汉末年,建宁元年之际。 (三个“年”,显冗余)
我:时值后汉建宁元年,距今约一千七百八十年前。(没有末年)
一人の旅人(たびびと)があった。
田:有一位行者。
王:有一位旅人缓步而来。
我:有一行人。
腰(こし)に、一剣(けん)を佩い(はい)ているほか、身なり(みなり 打扮、装束)はいたって(副词 及其)みすぼらしい(寒碜的,衣衫褴楼的)が、眉(まゆ)は秀(ひい)で、唇(くち)は紅く、とりわけ(特别)聡明(そうめい)そうな眸(ひとみ)や、豊たな頬(ほほ)をしていて、つねに(总是,常常)どこかに微笑(びしょう)を含み(ふくみ)、総じて(そうじて)賤しげな(いやしげな 卑微的)容子がなかった。年の頃は二十四、五。
田:除腰佩一剑外,衣衫褴褛至极,但却眉清唇红,双眸尤慧,两颊饱满,面隐微笑,毫无卑贱之相。此人年方二十四五。
王:只见他腰佩一柄长剑,着装质朴、长衣泛白。但看他生得一副唇红齿白、剑眉星眸的模样,而且两腮丰润,唇边带笑,毫无卑怯之意。他年纪有二十四五岁,正是一派青年不俗的气质。
我:腰佩一剑。虽衣衫褴楼,但眉清唇红,眼睛透漏着一股聪明劲,脸颊饱满,面含微笑,无丝毫卑贱之相。年约二十四、五。
修改后:腰佩一剑。虽衣衫褴褛,但眉清唇红、双眸尤慧、两颊饱满、面隐微笑,毫无卑贱之相。年约二十四五。
卑贱:形容人的身份、气质
卑怯:形容人的表情
常にどこかに微笑を含み:田版翻译为面隐微笑,隐字对应どこかに
此处想要表达的是青年刘备此刻虽家境贫寒,却胸隐大志,生是一副“贫贱不能移”的气派,故此处用卑贱比较合适。用卑怯未免不够大气。
本人参考田版,把脸上的表情简写为四个四字词,显得简约,整齐。
身体部位:
腰:こし 眉:まゆ 唇:くち 頬:ほほ 容子:ようす
みなりはいたってみすぼらしい
眉は秀で:まゆはひいで
唇は紅い:くちはあかい
とりわけ聡明そうな眸をする
豊たな頬をしていて
賤しげな様子がなかった
动作:
剣を佩く(けんをはく):
微笑を含む(びしょうをふくむ):
草むら(くさむら 草丛中)の中に,ぽつねんと(独自一人、孤孤单单地)坐って(すわって)、膝(ひざ)をかかえこんでいた(抱込む 抱、包揽)。
田:紧盘双腿,独坐于草丛之中。
王:只见这位青年走了一程,便随意坐在草地上歇息一下。(自己发挥了不少,显得啰嗦)
我:孤身一人抱膝独坐于草丛中。
悠 久(ゆうきゅう)と水は行く。微風(びふう)は爽やか(さわやか 清爽、爽朗)に鬢(びん 鬓发)をなでる。涼秋(りょうしゅう)の八月だ。
田:河水悠悠流逝,微风轻柔抚鬓。此时正当凉秋八月。
王:任河岸清爽的微风吹拂他的发丝,看时节大约正是凉秋农历八月时分。
我:河水悠悠流逝,微风轻柔抚鬓。时值凉秋八月。
そしてそこは、黄河(こうが)の畔(ほとり)の黄土層(こうどそう)の低い断岸(きりぎし)であった
田:这里是黄河的岸边,低矮的黄土层断崖。
王:此地是黄河之畔,一处黄土断崖所在。
我:此处位于黄河岸边,黄土层低处的断崖上。
改:此处乃黄河之畔一处低矮的黄土层断崖所在。
「おーい」。誰か河(かわ)でよんだ
田:“喂”有人在河上呼喊。
王:“喂——”,忽然远远传来一声呼喊。
“喂”,有人在河上呼喊。
「そこの若い者う。なにを見ているんだい。いくら待っていても、そこは渡し船の着く所じゃないぞ」
田:“那边儿的年轻人,看什么呢?在那儿等啥呀,又不是停靠渡船的地方”
王:“那位后生——你在此处作甚?莫不是在等着渡船?那里可不是渡口,等也等不到船来呦!”
我:“小伙子,在看什么呢?不管你等多久,也不会有船来的。”
小さ(ちいさ)な漁船(ぎょせん)から漁師(りょうし)が言うのだった。
田:渔夫在小渔舟上道
王:渔夫一边划船一边高声呼喊
我:渔民在小船上说到。
青年は笑くぼ(えくぼ 笑容,酒窝)を送って。「ありがとう」と、少し頭を下げた。
田:青年露出酒窝,点点头道:“谢谢啦”
王:青年微微一笑,颔首答道:“承蒙提醒”
我:青年颔首微笑,“谢谢”
漁船は、下流(かりゅう)へ流れ去った(さる)。けれど青年は、同じ所に、同じ姿をしていた。膝を抱えて(かかえて)坐ったまま遠心(えんしん)的な眼(まなこ)をうごかさ(動かす うごかす)なかった。
田:渔舟向下游漂流而去。青年仍在原地,纹丝不动。他盘膝而坐,出神凝视的目光不曾动摇。
王:渔舟顺水而行,渐行渐远,这位青年仍然端坐原地,若有所思地凝视着浩瀚的滚滚河水。
我:渔船顺流而下。青年纹丝未动。抱膝而坐,眼神深邃远望,未曾变动。
「おい、おい、旅の人」。こんどは、後ろを通った(つった)人間が呼ばかけた。近村(きんそん)の百姓(ひゃくしょう)であろう。ひとりは鶏(にわとり)の足をつかんでさげ、ひとりは農具(のうぐ)をかついでいた。
田:“哎,哎,出门儿的人。”这次是有人从背后路过招呼他。大概是近处村里的农民,一人手抓鸡腿拎着鸡,一人肩扛农具。
王:“哎!哎!那个年轻人!”从他身后又传来一声呼喊,两个村民模样的人路过。他们一人拎着鸡,一人扛着锹
我:“喂,喂,旅行的人。”这次声音是从后面传来。应该是附近的百姓。一个人提着鸡的腿,一个人扛着农具。
鶏の足をつく:抓着鸡的腿
農具をかついでいた:
「そんな所で、今朝からなにを待っているんだね。このごろは、黄巾賊とかいう悪徒が立ち廻る(たちまわる)からな。役人衆(やくにんしゅう)に怪し(あやし)まれるぞよ 」
怪しむ(あやしむ):怀疑
田:“打早儿就在那儿等啥的吧。近来可有叫黄巾贼的歹人乱窜哪。你会被官府怀疑的。”
王:我们打从晌午前就看见你在这里,你是不是在等人啊?最近这里有黄巾贼人作乱,你要小心别被官府的人盯上啊!
我:“你从清晨就一直待在这里。这段日子,不断有黄巾贼子四处劫掠。你这样子会被官府怀疑的哦。”
青年は、振り返って(回头看)、「はい、どうも」おとなしい会釈(えしゃく 点头)をかえした。けれどなお(然而)、腰を上げようとはしなかった。
田:青年回过脸道:“知道了,谢谢。”他老实巴交地还礼,却没有起身的意思。
王:青年回首示意:“我知道了,多谢您提醒。”但他丝毫没有起身离开的意思。
我:青年回过头来,点头示意,“知道了,谢谢”。仍旧没有要动身的样子。
そして、幾千万年(いくせんまんねん)も、こうして流れているのかと思われる黄河(こうが)の水を、飽かずに(あかずに 不厌倦、不满意)眺めていた。
田:青年眺望着千万年来流淌不息的黄河水,总也看不够。
王:仍然出神地凝望着浑浊的河水,似乎要将这千万年来流淌不息的黄河望穿。
我:他不知疲倦地望着几千年来就这样一直流淌着的黄河水。
(どうしてこの河(かわ)の水は、こんなに黄色いのか?)
汀(みぎわ 水边)の水を、仔細に(しさいに)見ると、それは水その物が黄色いのではなく、砥石(といし)を粉(こな)にくだい(砕く 弄碎)たような黄色い砂の微粒(すなのびりゅう)が、水に混じっ(まじる)ていちめんにおどっているため、濁って(にごる)見えるのであった。
砥石を粉に砕く
水に混じる
濁って見える
田:“为什么河水这般黄”。仔细看着河边的水,原来不是水黄,而是像被砥石研碎了一样的黄沙微粒混在水里,满河翻腾,才显浑黄。
王:为何黄河之水呈现如此浊黄之色呢?如果细细观察这黄河之水,便可知道并非河水浑黄,而是水中夹裹着黄土砂砾。这些砂砾随着水波浮沉,河水变呈现出一片浊黄之色。
我:为什么水如此之黄?仔细看的话,会发现边上的水其本身并不是黄色,而是其中混杂着黄色的沙粒,使得水看起来很浑浊。
改:为什么水如此之黄?仔细看的话,会发现边上的水其本身并不是黄色,而是像被砥石研碎了一样的黄沙微粒混杂其中,满河翻腾,才显浊黄。
「ああ・・・・・・、この土(つち)も」。青年は、大地の土を(だいちのつち)を、一つかみ(一掴み ひとつかみ 少量)手に掬(すく)った。そして眼(がん)をはるか西北(せいほく)の空へじっと放(ほう)った。
田:“啊,这土也是。”青年用手掬起一把大地的泥土,目光定定地投向遥远的西北天际。
王:青年俯首掬起一捧黄土:“哦,果然这土色亦是如此。”他放眼西眺,遥望着河水来处,陷入沉思。
我:“啊,这里的土地也是黄色的。”青年捧起黄土,放眼远望西北天际。
改:“啊,这土亦是。”青年掬起一捧黄土,目光定定地投向西北边际
支那の大地を作ったのも、黄河の水を黄色くしたのも、みなこの砂(すな)の微粒である。そしてこの砂は中央(ちゅうおう)亜細亜(アジア)の砂漠(さばく)から吹いてきた物である。まだ人類(じんるい)の生活も始まらなかった何万年も前の大昔(おおむかし)から不断(ふだん)に吹き送られて、積り積った大地である。この広い黄土(こうど)と黄河(こうが)の流れであった。
「わたしのご先祖(せんそ)も、この河(かわ)を下って」
田;我的祖先也是沿河而下
王:我的先人也是顺着这河水而来的
我:我的祖先也是顺流而下来到这里
彼は、自分の体(たい)に今、脈(みゃく)うっている血液(けつえき)がどこからきたか、その遠い根元(こんげん)までを想像(そうぞう)していた。
田:如今在自己身体里流动的血液是从哪儿来的,他想象着遥远的根。
王:青年默默感受着自己体内奔涌的血流,暗暗思忖着这一脉血统是从何而来。
我:他想象着他体内血脉的根源
支那を拓いた(ひらく)漢民族も、その砂の来る亜細亜(アジア)の山岳(さんりょう)を越えてきた(こえていた)。そして黄河の流れに添いつつ(そいつつ)次第にふえ、苗 族(びょうぞく)という未開(みかい 未开化的)人を追って(おう)、農業(のうぎょう)を拓き(ひらき)、産業を興し(おこし)、ここに何千年の文化を植え(うえ)てきたものだった。
田:开拓了中原的汉民族,也是越过刮来那些沙的亚细亚崇山峻岭来到这里的。他们在黄河流域中逐渐繁衍,赶走了未开化的苗人,开垦农业,振兴产业,在这里种下了几千年的文化。
王:在很久以前,大汉民族跋山涉水,随着黄沙滚滚,翻越了亚细亚山脉的崇山峻岭,沿着黄河繁衍生息,在黄土高原上生根发芽。他们驱逐了未开化的苗人,开荒务农,振兴产业,从此奠定了几千年中华文明的根基。
我:当年,汉族人民越过砂砾源头的亚细亚山岳,开拓了华夏大地。沿着黄河水繁衍生长,驱逐了未开化的苗人,开拓了农业,兴旺了产业,文化就此根植了几千年。
「ご先祖さま、見ていて下さいまし。いやこの劉備を、鞭打って(むちうつ 鞭策)下さい。劉備はきっと、漢(かん)の民を興(おこす)します。漢民族の血と平和を守ります」。天へ向って誓う(ちかう)ように、劉備青年は、空を拝(はい)していた。
田:“列祖列宗在上,看着我吧,鞭策我吧,我刘备一定要振兴汉族人民,捍卫汉族的血脉与和平。”青年刘备仰天长拜,仿佛对天起誓。
王:“列祖列宗在上,请佑我刘备,护我苍生,光复大汉,重铸和平!”青年刘备俯首长拜,对天起誓。(光复大汉,欠妥当)
我:青年刘备向天鞠躬,好像在对天起誓:“祖先,请听我一言。请鞭策我,给我力量。刘备一定振兴大汉百姓,守护大汉子民的血脉与和平”(东汉末年,朝纲不振,动乱四起,局势艰难,百姓苦不堪言,刘备以百姓疾苦为念,誓要还给百姓安乐)
するとすぐ後ろへ、誰か突っ立って(つったって 站立)、彼の頭からどなった。
「うさん(形迹可疑)なぬだ。やいっ、汝(なんじ)は、黄巾賊(こうきんぞく)の仲間だろう?」
田:这时,有人伫立在他背后,劈头喝道:“形迹可疑的家伙可是黄巾贼一伙儿”
王:突然,一个尖利的声音在他身后响起:“你是何人,如此形迹可疑,莫不是黄巾贼人的同伙?”
我:突然后面站着一人,“你这小子形迹可疑,可是黄巾贼人一伙?”
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