《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
私(わたくし)がいよいよ立とうという間際になって、(たしか二日前の夕方の事であったと思うが、)父はまた突然引(ひ)っ繰(く)り返(かえ)った。
正当我要动身的时候(确切地说是两天前的傍晚),父亲又突然犯病了。
私はその時書物や衣類を詰めた行李(こうり)をからげていた。
那时我正在捆绑装满书籍和衣物的行李。
父は風呂(ふろ)へ入ったところであった。父の背中を流しに行った母が大きな声を出して私を呼んだ。
父亲在洗澡。去给父亲搓澡的母亲大声喊着我
私は裸体(はだか)のまま母に後ろから抱かれている父を見た。
我跑去一看,父亲光着身子被母亲从后面抱起来。
それでも座敷へ伴(つ)れて戻った時、父はもう大丈夫だといった。
可是回到正房时,父亲却说不要紧了。
念のために枕元(まくらもと)に坐(すわ)って、濡手拭(ぬれてぬぐい)で父の頭を冷(ひや)していた私は、九時頃(ごろ)になってようやく形(かた)ばかりの夜食を済ました。
为了慎重些,我坐在他枕边,用湿手巾冰着他的头,直到九点多钟才吃完晚饭。
翌日(よくじつ)になると父は思ったより元気が好(よ)かった。留(と)めるのも聞かずに歩いて便所へ行ったりした。
第二天,父亲的病情比原想的好多了。但他不听劝告,又走着上厕所。
「もう大丈夫」
“已经不要紧了。”
父は去年の暮倒れた時に私に向かっていったと同じ言葉をまた繰り返した。
他又重复起去年年底摔倒时对我说过的同样的话。
その時ははたして口でいった通りまあ大丈夫であった。私は今度もあるいはそうなるかも知れないと思った。
那时真是那样,暂时不要紧了。我想,这回或许关系也不大吧。
しかし医者はただ用心が肝要だと注意するだけで、念を押しても判然(はっきり)した事を話してくれなかった。私は不安のために、出立(しゅったつ)の日が来てもついに東京へ立つ気が起らなかった。
但是医生还叮嘱说,一定要小心,却不肯把话讲明,弄得我心绪不定,到了该动身的日子,也没有心思去东京了。
「もう少し様子を見てからにしましょうか」と私は母に相談した。
“先看看情况再说吧。”我跟母亲商量着。
「そうしておくれ」と母が頼んだ。
“就这样吧。”她听信了我的话。
母は父が庭へ出たり背戸(せど)へ下りたりする元気を見ている間だけは平気でいるくせに、こんな事が起るとまた必要以上に心配したり気を揉(も)んだりした。
母亲一见父亲有了精神,又去院子,又到厨房的,便不以为然;可是一出现这种情况时,她又过分地忧虑不安了。
「お前は今日東京へ行くはずじゃなかったか」と父が聞いた。
“今天你不是应该去东京么?”父亲问我。
「ええ、少し延ばしました」と私が答えた。
“是呵,拖延几天再说吧。”我答道。
「おれのためにかい」と父が聞き返した。
“是为我么?”父亲又问。
主播介绍
本期主播:草微
本期编辑:LMN
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