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【日语共读】《心》夏目漱石(98)

【日语共读】《心》夏目漱石(98)

作者: 日语之声 | 来源:发表于2018-12-14 22:31 被阅读0次

           《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

       父は医者から安臥(あんが)を命ぜられて以来、両便とも寝たまま他(ひと)の手で始末してもらっていた。潔癖な父は、最初の間こそ甚(はなは)だしくそれを忌(い)み嫌ったが、身体(からだ)が利(き)かないので、やむを得ずいやいや床(とこ)の上で用を足した。それが病気の加減で頭がだんだん鈍くなるのか何だか、日を経(ふ)るに従って、無精な排泄(はいせつ)を意としないようになった。たまには蒲団(ふとん)や敷布を汚して、傍(はた)のものが眉(まゆ)を寄せるのに、当人はかえって平気でいたりした。もっとも尿の量は病気の性質として、極めて少なくなった。医者はそれを苦にした。食欲も次第に衰えた。たまに何か欲しがっても、舌が欲しがるだけで、咽喉(のど)から下へはごく僅(わずか)しか通らなかった。好きな新聞も手に取る気力がなくなった。枕(まくら)の傍(そば)にある老眼鏡(ろうがんきょう)は、いつまでも黒い鞘(さや)に納められたままであった。子供の時分から仲の好かった作(さく)さんという今では一里(り)ばかり隔たった所に住んでいる人が見舞に来た時、父は「ああ作さんか」といって、どんよりした眼を作さんの方に向けた。

         自从医生命令父亲静卧以来,大小便都躺着不动,要靠别人收拾。有洁癖的父亲,起初极为苦恼,可是身不由己,也只好这样做了。大概是由于病情的发展,他大脑渐渐变得迟钝,随着日子一长,大小便失禁也全不在意了。有时弄脏了被褥,旁人见了都皱眉头,而他反倒不以为然。这种病尿量特别少,医生很不好办。他的食欲也渐渐衰退了,偶尔想吃什么,也只是用舌头沾沾:喉咙里只能咽一点点。他的手连喜欢看的报纸都拿不住了。放在枕边的老花镜,一直收在黑眼镜盒里。父亲有个从小要好的朋友叫阿作,住在相隔一里的地方。他来探望时,父亲睁开混浊的眼睛望着地:“呵,是阿作么?”

         「作さんよく来てくれた。作さんは丈夫で羨(うらや)ましいね。己(おれ)はもう駄目(だめ)だ」

         「そんな事はないよ。お前なんか子供は二人とも大学を卒業するし、少しぐらい病気になったって、申し分はないんだ。おれをご覧よ。かかあには死なれるしさ、子供はなしさ。ただこうして生きているだけの事だよ。達者だって何の楽しみもないじゃないか」

        “阿作,谢谢你来看我。你那么健康,真叫人羡慕呵。我已经不行啦。”

        “没那事。你呀,两个孩子都是大学毕业?得那么点病算什么!你看我,老婆死了,又没孩子,就这么一个人活着。虽说身子骨硬朗点,可又有什么意思呵。”

         浣腸(かんちょう)をしたのは作さんが来てから二、三日あとの事であった。父は医者のお蔭(かげ)で大変楽になったといって喜んだ。少し自分の寿命に対する度胸ができたという風(ふう)に機嫌が直った。傍(そば)にいる母は、それに釣り込まれたのか、病人に気力を付けるためか、先生から電報のきた事を、あたかも私の位置が父の希望する通り東京にあったように話した。傍(そば)にいる私はむずがゆい心持がしたが、母の言葉を遮(さえぎ)る訳にもゆかないので、黙って聞いていた。病人は嬉(うれ)しそうな顔をした。

        洗肠是阿作来过两三天之后的事了。父亲高兴地说。“多亏医生,现在舒服多了。”他心情开朗起来,仿佛对自己的寿命有了一些信心。在一旁的母亲,不知是给这假象蒙住了,还是想给病人鼓鼓劲,把先生来电报的事说了,并说得简直好象我的工作恰如父亲所愿,是在东京。我在一旁急得如坐针毡,却又不能拦住母亲,只得一声不响地听着。病人脸上露出了笑容。

         「そりゃ結構です」と妹(いもと)の夫もいった。

         「何の口だかまだ分らないのか」と兄が聞いた。

        私は今更それを否定する勇気を失った。自分にも何とも訳の分らない曖昧(あいまい)な返事をして、わざと席を立った。

          “那可太好了。”妹夫也高兴地笑着说。

          “什么工作,还不知道么?”哥哥问。

           事已至此,我连否认的勇气也没有了,便模棱两可地答应着,立刻离开了这里。

    主播介绍

    本期主播:生菜

                             本期编辑:LMN

         责任编辑:日语之声

       

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