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心
《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
私(わたくし)はまだその後(あと)にいうべき事をもっていた。けれども奥さんから徒(いたず)らに議論を仕掛ける男のように取られては困ると思って遠慮した。奥さんは飲み干した紅茶茶碗(こうちゃぢゃわん)の底を覗(のぞ)いて黙っている私を外(そ)らさないように、「もう一杯上げましょうか」と聞いた。私はすぐ茶碗を奥さんの手に渡した。
本来我还是有话要说,可是又担心夫人只当我是个爱寻事,瞎发议论的人,反倒没趣,便看着喝干了茶的碗底不再作声了。夫人似乎怕冷淡了我,便说道:“再喝一碗吧。”我马上把碗送到她手里。
「いくつ? 一つ? 二ッつ?」
“要几块?一块还是两块?”
妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、茶碗の中へ入れる砂糖の数(かず)を聞いた。奥さんの態度は私に媚(こ)びるというほどではなかったけれども、先刻(さっき)の強い言葉を力(つと)めて打ち消そうとする愛嬌(あいきょう)に充(み)ちていた。
夫人轻巧的捏起方糖,望着我的脸问我要往碗里放几块。她拿神态虽说不上向我讨好,却是要尽量打消刚才说话的生硬而充满了亲切。
私は黙って茶を飲んだ。飲んでしまっても黙っていた。
我默默地喝着茶,喝完了还是一声不响。
「あなた大変黙り込んじまったのね」と奥さんがいった。
“你也太过沉闷了。”夫人说。
「何かいうとまた議論を仕掛けるなんて、叱(しか)り付けられそうですから」と私は答えた。
“一说话就得争论,还要受奚落。”我答道。
「まさか」と奥さんが再びいった。
“哪能呵。”夫人又说。
二人はそれを緒口(いとくち)にまた話を始めた。そうしてまた二人に共通な興味のある先生を問題にした。
于是这成为话头,我们又谈起来。谈的还是两个人都感兴趣的先生。
「奥さん、先刻(さっき)の続きをもう少しいわせて下さいませんか。奥さんには空(から)な理屈と聞こえるかも知れませんが、私はそんな上(うわ)の空(そら)でいってる事じゃないんだから」
“夫人,再接着刚才的话往下再说吧。也许您听来是空洞的道理,可我并不是漫不经心的胡说。”
「じゃおっしゃい」
“那就请说吧。”
「今奥さんが急にいなくなったとしたら、先生は現在の通りで生きていられるでしょうか」
如果现在您突然不在了,先生能照现在这样活下去吗?”
「そりゃ分らないわ、あなた。そんな事、先生に聞いて見るより外(ほか)に仕方がないじゃありませんか。私の所へ持って来る問題じゃないわ」
“这我怎么能知道,你呀,这种事只能去问先生,不是问我的问题呵。
主播介绍本期主播:草微
本期编辑:LMN
责任编辑:日语之声
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