皆さん、こんばんは、ヒマワリと申します。
今天由我继续为大家共读短篇小说《罗生门》。では、一緒に聞きましょう。
羅生門芥川龍之介
下人は、大きな嚔くさめをして、それから、大儀たいぎそうに立上たちあった。夕冷ゆうびえのする京都は、もう火桶ひおけが欲しいほどの寒さである。風は門の柱はしらと柱との間を、夕闇と共ともに遠慮なく、吹きぬける。丹塗にぬりの柱はしらにとまっていた蟋蟀きりぎりすも、もうどこかへ行ってしまった。
家将打了一个大喷嚏,又大模大样地站起来,夜间的京城已冷得需要烤火了,风同夜暗毫不客气地吹进门柱间。蹲在朱漆圆柱上的蟋蟀已经不见了。
下人は、頸をちぢめながら、山吹やまぶきの汗袗かざみに重ねた、紺こんの襖あおの肩を高くして門のまわりを見まわした。あめかぜの患うれえのない、人目にかかる惧おそれのない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、夜ようを明かそうと思ったからである。すると、幸さいわい門の上の楼へ上る、幅はばの広い、これも丹を塗った梯子はしごが眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ死人しびとばかりである。下人はそこで、腰こしにさげた聖柄ひじりづかの太刀たちが鞘走さやばしらないように気をつけながら、藁草履わらぞうりをはいた足を、その梯子はしごの一番下の段へふみかけた。
家将缩着脖子,耸起里面衬黄小衫的宝蓝袄子的肩头,向门内四处张望,如有一个地方,既可以避风雨,又可以不给人看到能安安静静睡觉,就想在这儿过夜了。这时候,他发现了通门楼的宽大的、也漆朱漆的楼梯。楼上即使有人,也不过是些死人。他便留意着腰间的刀,别让脱出鞘来,举起穿草鞋的脚,跨上楼梯最下面的一级。
それから、何分かの後のちである。羅生門の楼のうえへでる、幅はばの広い梯子はしごの中段に、一人の男が、猫のように身をちぢめて、息いきを殺しながら、上の容子ようすを窺うかがっていた。楼の上からさす火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。みじかい鬚ひげの中に、赤く膿うみを持った面皰のある頬である。下人は、始めから、この上にいる者は、死人ばかりだと高を括くくっていた。それが、梯子はしごを二三段上って見ると、上では誰か火をとぼして、しかもその火をそこここと動かしているらしい。これは、その濁にごった、黄きいろい光が、隅々に蜘蛛くもの巣すをかけた天井裏てんじょううらに、揺れながら映うつったので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜よに、この羅生門の上で、火をともしているからは、どうせただの者ではない。
过了一会,在罗生门门楼宽广的楼梯中段,便有一个人,像猫儿似的缩着身体,憋着呼吸在窥探上面的光景。楼上漏下火光,隐约照见这人的右脸,短胡子中长着一个红肿化脓的面疤。当初,他估量这上头只有死人,可是上了几级楼梯,看见还有人点着火。这火光又这儿那儿地在移动,模糊的黄色的火光,在屋顶挂满蛛网的天花板下摇晃。他心里明白,在这儿点着火的,决不是一个寻常的人。
今天的共读到此结束,感谢您的收听。じゃあ、おやすみなさい。
本期监制: 日语之声
本期小编: 沫 言
本期主播: ヒマワリ
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