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夏目漱石《永日小品》之《往昔》 个人翻译

夏目漱石《永日小品》之《往昔》 个人翻译

作者: 切间美星 | 来源:发表于2019-08-21 18:05 被阅读3次

    夏目漱石《永日小品》之《往昔》 个人翻译

                                        往昔

    皮特隆库里山谷现在正是深秋时节。十月的阳光在为映入眼帘的原野山林染上温煦色彩的时分,人们或仍入眠或已醒目。

    十月阳光在半空中拢含住阒静山谷的空气,却并未直接垂落大地,也未逃向山谷那方,只是一直安定的,岿然不动的盘笼在无有一丝风迹的村子上方。这期间原野山林的色彩也会渐有变化,有如酸涩的东西在不知觉间变得甘甜一般,时代在与整片山谷同行。皮特隆库里山谷的此时比及百年前,两百年前,更容易显得冷清寂然。人们皆晓岁月悄然,他们凑在一起,遥望飘飖迁过山背的云朵。那浮云时而一面雪白,时而一味泛灰,时不时的能透过淡薄的底部看见一片山底。无论何时去看都觉着那云已有不少年头。

    我住的地方在一块要眺望这云和这山谷都十分得当的小山丘上。从南方而来的阳光盖满了房屋的墙壁,而在数年都未滋受过十月的阳光,四下已衰萎为鼠灰色的西边角落,扭身爬有一株蔷薇花,另有几朵生在阴寒墙壁和温暖阳光铺满之所相交的夹缝之间。大的一朵花瓣有如在淡黄色海洋中掀起的高涨浪涌,从花萼起便翻覆了般张着大口,万籁皆没的寂然而生。

    花香被透薄的阳光纳入,隐没在两间大的空气之中。我站在这两间大的空间里,抬头仰望,蔷薇尽力往高处攀登,而鼠灰色的墙壁则在蔷薇枝蔓无可触及的极点突兀耸立。屋脊的尽头还挺有一座塔,阳光即从其上的雾霭深处倾泄落下。

    脚下的丘陵落在皮特隆库里山谷内,目力所及的远方之下,满载一片平坦的色彩。在对方山的登山之路上,枯黄的桦树叶衬相磊叠,铸成了数阶浓淡不一的坡道。洒满了明亮而冷清风调的山谷正中,一线幽黑的经脉在旁蜿蜒蠕动,饱含泥炭的溪水好似调溶了染料般透出老旧的颜色。来到这山深处之后,才初次遇见这样的河流。

    店主从后方过来,他被十月阳光铺照的胡髯已有七分发白,身着也并不常见,下身穿着一件名为苏格兰短裙的,同车夫的护膝毯般粗糙的格纹衣物。就像是把行灯袴用剪子一直裁到膝盖,竖着叠出裙裤的褶皱,因而腿肚子便靠粗毛线编织的长筒袜来遮盖。一迈步子苏格兰群的褶皱便晃动舒展开,膝部和大腿之间的风光时隐时现。是不羞于示人以自身肉色的古典袴裙。

    店主在身前挂着一个用毛皮所制,小型木鱼般大小的蛙嘴钱包。他入夜靠在暖炉旁的椅子上,凝视发出崩裂声的赤红火炭,从这木鱼之中取出烟斗和烟草,而后悠闲的吞纳云雾以度这漫漫长夜。他告诉我,这木鱼的名字叫斯珀兰。

    和店主一同寻路下山崖,深入一条幽暗的小径,四周林立的名为苏格兰冷杉的常绿树叶状如浮云缠绕在海带丝上般,去撼动也不会散落。一只松鼠摇摆着长粗的尾巴敏捷的爬上黝黑树干,又蓦的闪出另一只飞快掠过长年厚生的苔坪,只在眼中留下一道残影。苔坪仍鼓胀着无有半分动静,而松鼠的尾巴则如扫过青黑色地面的拂尘般遁入了深林暗处。

    店主转向一侧,指向皮特隆库里清明的山谷,泛黑的川流仍在其中无拘自行,他告诉我,逆着河往一里半北去,有基利克兰基之战的峡谷。

    高地人同低地人在基利克兰基峡谷相战时,光景一片凄凉,尸体卡在岩缝之间,堵住了意图泄入石中的水潮,畅饮了高地人和低地人鲜血的川流一脉腥红的在皮特隆库里山谷间流淌了三天三夜。

    我决定明天一早便去一趟基利克兰基之战的古战场。离开山崖时脚下散落了三两片美丽的蔷薇花瓣。

     ピトロクリの谷は秋の真下ましたにある。十月の日が、眼に入る野と林を暖かい色に染めた中に、人は寝たり起きたりしている。十月の日は静かな谷の空気を空の半途はんとで包くるんで、じかには地にも落ちて来ぬ。と云って、山向やまむこうへ逃げても行かぬ。風のない村の上に、いつでも落ちついて、じっと動かずに靄かすんでいる。その間に野と林の色がしだいに変って来る。酸すいものがいつの間にか甘くなるように、谷全体に時代がつく。ピトロクリの谷は、この時百年の昔むかし、二百年の昔にかえって、やすやすと寂さびてしまう。人は世に熟うれた顔を揃そろえて、山の背を渡る雲を見る。その雲は或時は白くなり、或時は灰色になる。折々は薄い底から山の地じを透すかせて見せる。いつ見ても古い雲の心地がする。

     自分の家はこの雲とこの谷を眺めるに都合好く、小さな丘の上に立っている。南から一面に家の壁へ日があたる。幾年いくねん十月の日が射したものか、どこもかしこも鼠色ねずみいろに枯れている西の端に、一本の薔薇ばらが這はいかかって、冷たい壁と、暖かい日の間に挟はさまった花をいくつか着けた。大きな弁べんは卵色に豊かな波を打って、萼がくから翻ひるがえるように口を開あけたまま、ひそりとところどころに静まり返っている。香においは薄い日光に吸われて、二間の空気の裡うちに消えて行く。自分はその二間の中に立って、上を見た。薔薇は高く這い上のぼって行く。鼠色の壁は薔薇の蔓つるの届かぬ限りを尽くして真直に聳そびえている。屋根が尽きた所にはまだ塔がある。日はそのまた上の靄もやの奥から落ちて来る。

     足元は丘がピトロクリの谷へ落ち込んで、眼の届く遥はるかの下が、平ひらたく色で埋うずまっている。その向う側の山へ上のぼる所は層々と樺かばの黄葉きばが段々に重なり合って、濃淡の坂が幾階となく出来ている。明あきらかで寂さびた調子が谷一面に反射して来る真中を、黒い筋が横に蜿うねって動いている。泥炭でいたんを含んだ渓水たにみずは、染粉そめこを溶といたように古びた色になる。この山奥に来て始めて、こんな流を見た。

    後うしろから主人が来た。主人の髯ひげは十月の日に照らされて七分がた白くなりかけた。形装なりも尋常ではない。腰にキルトというものを着けている。俥くるまの膝掛ひざかけのように粗あらい縞しまの織物である。それを行灯袴あんどんばかまに、膝頭ひざがしらまで裁たって、竪たてに襞ひだを置いたから、膝脛ふくらはぎは太い毛糸の靴足袋くつたびで隠すばかりである。歩くたびにキルトの襞が揺れて、膝と股ももの間がちらちら出る。肉の色に恥を置かぬ昔の袴である。

     主人は毛皮で作った、小さい木魚もくぎょほどの蟇口がまぐちを前にぶら下げている。夜煖炉だんろの傍そばへ椅子を寄せて、音のする赤い石炭を眺めながら、この木魚の中から、パイプを出す、煙草たばこを出す。そうしてぷかりぷかりと夜長よながを吹かす。木魚もくぎょの名をスポーランと云う。

     主人といっしょに崖がけを下りて、小暗おぐらい路みちに這入はいった。スコッチ・ファーと云う常磐木ときわぎの葉が、刻きざみ昆布こんぶに雲が這はいかかって、払っても落ちないように見える。その黒い幹をちょろちょろと栗鼠りすが長く太った尾を揺ふって、駆かけ上のぼった。と思うと古く厚みのついた苔こけの上をまた一匹、眸ひとみから疾とく駆かけ抜けたものがある。苔は膨ふくれたまま動かない。栗鼠の尾は蒼黒あおぐろい地じを払子ほっすのごとくに擦すって暗がりに入った。

     主人は横をふり向いて、ピトロクリの明るい谷を指ゆびさした。黒い河は依然としてその真中を流れている。あの河を一里半北へ溯さかのぼるとキリクランキーの峡間はざまがあると云った。

    高地人ハイランダースと低地人ローランダースとキリクランキーの峡間はざまで戦った時、屍かばねが岩の間に挟はさまって、岩を打つ水を塞せいた。高地人と低地人の血を飲んだ河の流れは色を変えて三日の間ピトロクリの谷を通った。

     自分は明日あす早朝キリクランキーの古戦場を訪とおうと決心した。崖から出たら足の下に美しい薔薇ばらの花弁はなびらが二三片散っていた。

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