《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「Kの生返事(なまへんじ)は翌日(よくじつ)になっても、その翌日になっても、彼の態度によく現われていました。彼は自分から進んで例の問題に触れようとする気色(けしき)を決して見せませんでした。もっとも機会もなかったのです。奥さんとお嬢さんが揃(そろ)って一日宅(うち)を空(あ)けでもしなければ、二人はゆっくり落ち付いて、そういう事を話し合う訳にも行かないのですから。私(わたくし)はそれをよく心得ていました。心得ていながら、変にいらいらし出すのです。その結果始めは向うから来るのを待つつもりで、暗(あん)に用意をしていた私が、折があったらこっちで口を切ろうと決心するようになったのです。
“K那模棱两可的回答,在第二天、又一个第二天依然明显地表现在他的神色中,没露出一点要主动触及这个问题的迹象。其实也没有机会。我心里很明白,如果没有夫人和小姐都出门的时机,我们是不会心平气和地谈这件事的。我虽然明白这道理,却又奇怪地焦躁起来。起初我还只是暗中准备,等着由对方提起,结果竟变成下决心,只要有机会我就主动开口。
同時に私は黙って家(うち)のものの様子を観察して見ました。しかし奥さんの態度にもお嬢さんの素振(そぶり)にも、別に平生(へいぜい)と変った点はありませんでした。Kの自白以前と自白以後とで、彼らの挙動にこれという差違が生じないならば、彼の自白は単に私だけに限られた自白で、肝心(かんじん)の本人にも、またその監督者たる奥さんにも、まだ通じていないのは慥(たし)かでした。そう考えた時私は少し安心しました。それで無理に機会を拵(こしら)えて、わざとらしく話を持ち出すよりは、自然の与えてくれるものを取り逃さないようにする方が好かろうと思って、例の問題にはしばらく手を着けずにそっとしておく事にしました。
同时,我默默地观察着家里人的动静。夫人的神情和小姐的举止,跟往常并没有什么不同。假如在K向我倾诉爱情的前后,她们的举动没有发生什么变化,那么他的表白便仅仅是对我,还没有跟关键的本人和她的监护人夫人说起过。看来这是不会错的。想到这里时,我有点踏实了。于是我又盘算开来,与其勉强制造机会,由我故意挑起话头,倒不如抓住赋与我的自然的机会更好些,就决定先不动手,把这个问题悄悄地放下来。
こういってしまえば大変簡単に聞こえますが、そうした心の経過には、潮(しお)の満干(みちひ)と同じように、色々の高低(たかびく)があったのです。私はKの動かない様子を見て、それにさまざまの意味を付け加えました。奥さんとお嬢さんの言語動作を観察して、二人の心がはたしてそこに現われている通りなのだろうかと疑(うたが)ってもみました。そうして人間の胸の中に装置された複雑な器械が、時計の針のように、明瞭(めいりょう)に偽(いつわ)りなく、盤上(ばんじょう)の数字を指し得(う)るものだろうかと考えました。要するに私は同じ事をこうも取り、ああも取りした揚句(あげく)、漸(ようや)くここに落ち付いたものと思って下さい。更にむずかしくいえば、落ち付くなどという言葉は、この際決して使われた義理でなかったのかも知れません。
这样做,听起来很简单,但是在我的内心里却如同海潮的涨落一般,高一阵低一阵地起伏不已。我看见K平静的样子又联想出许多含意;我观察着夫人和小姐的言行举止,又疑惑是否同她们的内心一致。于是我就想是否能在人们的胸腔里安装一部复杂的机器,象表针一样明了、真实地指出刻盘上的数字呢?总之,请你这样想想吧,我就是这样把同一件事情反复琢磨之后,才好不容易在这里平静下来的。说得复杂些,也许在这种时候是不应该使用平静这类词的。
主播介绍本期主播:エル
本期编辑:晋助
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