《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「 それのみならず私(わたくし)はお嬢さんの態度の少し前と変っているのに気が付きました。久しぶりで旅から帰った私たちが平生(へいぜい)の通り落ち付くまでには、万事について女の手が必要だったのですが、その世話をしてくれる奥さんはとにかく、お嬢さんがすべて私の方を先にして、Kを後廻(あとまわ)しにするように見えたのです。それを露骨にやられては、私も迷惑したかもしれません。場合によってはかえって不快の念さえ起しかねなかったろうと思うのですが、お嬢さんの所作(しょさ)はその点で甚だ要領を得ていたから、私は嬉(うれ)しかったのです。つまりお嬢さんは私だけに解(わか)るように、持前(もちまえ)の親切を余分に私の方へ割り宛(あ)ててくれたのです。だからKは別に厭(いや)な顔もせずに平気でいました。私は心の中(うち)でひそかに彼に対する歌(がいか)を奏しました。
“不仅如此,我还发现小姐的神情跟以前有些不同了。我们隔了很久才从旅途中归来,在如同往常那样平静下来之前,一切事情都需要女人照料的。照料我们的夫人,倒无所谓,然而似乎小姐一切都先照顾我,而把K放在后面似的。倘若事情做得太露骨,我也许要为难的,有时反而会觉得不愉快吧。但是小姐在这一点上做得有分寸,所以我很高兴。总之,她只让我一个人了解似的,把她那我应享受的那份温情过多地分给了我。K也心平气和的,并没显出多不高兴的样子。我心里暗暗地对他奏起了凯歌。
やがて夏も過ぎて九月の中頃(なかごろ)から我々はまた学校の課業に出席しなければならない事になりました。Kと私とは各自(てんでん)の時間の都合で出入りの刻限にまた遅速ができてきました。私がKより後(おく)れて帰る時は一週に三度ほどありましたが、いつ帰ってもお嬢さんの影をKの室(へや)に認める事はないようになりました。Kは例の眼を私の方に向けて、「今帰ったのか」を規則のごとく繰り返しました。私の会釈もほとんど器械のごとく簡単でかつ無意味でした。
不久,夏天过去了。从九月中旬起,我们又得去学校上课了。由于各自的时间关系,我和K出进门又有了早晚的不同。我比K晚归的日子,一个星期有三次。可是,无论什么时候回来,也没有在K的房间里见到过小姐的身影。K依然抬起眼睛对我机械地重复着:‘刚回来么?’我的点头,也几乎和机械一样简单而无意义。
主播介绍
本期主播:kyo
本期编辑:LMN
责任编辑:日语之声
注:本节目仅用于分享和学习交流,不得转用和商用,内容版权归原作者所有。若有侵权,请在作品下方留言,我们会尽快删除。
网友评论