皆さん、こんばんは。
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今天将由主播 阿花 继续带我们分享
蟹工船(28)
では、はじめましょう!
蟹工船(28)
過労から心臓を悪くして、身体が青黄く、ムクンでいる漁夫が、ドキッ、ドキッとくる心臓の音でどうしても寝れず、甲板に上ってきた。手すりに もたれて、糊でも溶かしたようにトロッとしている海を、ぼんやり見ていた。この身体では監督に殺される。然し、それにしては、この遠いカムサツカで、しかも陸も踏めずに死ぬのは淋さびし過ぎる。――すぐ考え込まさった。その時、網と網の間に、誰かいるのに漁夫が気付いた。蟹の甲殻の片(かけら)を時々ふむらしく、その音がした。ひそめた声が聞こえてきた。
由于过度疲劳而损坏心脏、全身青黄浮肿的渔工,“嗵嗵”的心跳声使得他怎么也睡不着,就上到甲板来。他靠着栏杆,呆愣愣望着糨糊一般黏糊糊的大海。随即陷入沉思:这身体要被监工搞垮。可是死在这遥远的堪察加且没踩着陆地就死掉也太凄凉了!这时,他发觉渔网下有人。
响起仿佛脚踩蟹壳碎片的动静。悄悄说话的声音传了过来。
漁夫の眼が慣れてくると、それが分ってきた。十四、五の雑夫に漁夫が何か云っているのだった。何を話しているのかは分らなかった。後向きになっている雑夫は、時々イヤ、イヤをしている子供のように、すねているように、向きをかえていた。それにつれて、漁夫もその通り向きをかえた。それが少しの間続いた。漁夫は思わず(そんな風だった)高い声を出した。が、すぐ低く、早口に何か云った。と、いきなり雑夫を抱きすくめてしまった。喧嘩だナ、と思った。着物で口を抑えられた「むふ、むふ……」という息声だけが、一寸の間聞えていた。然し、そのまま動かなくなった。
眼睛习惯后,渔工看明白了。原来有个渔工向一个十四五岁的杂工说什么。至于说什么,却听不清楚。背朝这边的杂工不时像闹别扭或耍性子的孩子似的转过身去。那个渔工也随之转身,如此持续片刻。那个渔工情不自禁地(似乎)高喊一声,却又马上压低,快速说了句什么。旋即一把搂住杂工。莫不是吵架?忽然间只听得嘴被衣服堵住的“唔唔”声,但就那样再也不动了。
――その瞬間だった。柔かい靄(もや)の中に、雑夫の二本の足がローソクのように浮かんだ。下半分が、すっかり裸になってしまっている。それから雑夫はそのまま蹲(しゃが)んだ。と、その上に、漁夫が蟇(がま)のように覆いかぶさった。それだけが「眼の前」で、短かい――グッと咽喉(のど)につかえる瞬間に行われた。見ていた漁夫は、思わず眼をそらした。酔わされたような、撲(な)ぐられたような興奮をワクワクと感じた。
就在那一瞬间,眼见杂工的双腿在轻柔的薄雾中如蜡烛一般浮现出来——下半身一丝不挂。之后杂工就势蹲下,那渔工如癞蛤蟆一样扑了上去。唯独这个动作一瞬间——突然咽住般的瞬间出现在“眼前”。注视着的渔工不由得移开眼睛,感到一种既像被灌醉又像被殴打的亢奋。
漁夫達はだんだん内からむくれ上ってくる性慾に悩まされ出してきていた。四カ月も、五カ月も不自然に、この頑丈(がんじょう)な男達が「女」から離されていた。――函館で買った女の話や、露骨な女の陰部の話が、夜になると、きまって出た。一枚の春画がボサボサに紙に毛が立つほど、何度も、何度もグルグル廻された。
…………
床とれの、
こちら向けえの、
口すえの、
足をからめの、
気をやれの、
ホンに、つとめはつらいもの。
渔工们被体内渐渐鼓胀的性欲折腾得苦不堪言。这些身强力壮的男人已经离开“女人”四五个月之久了。每到夜晚,在函馆嫖妓的情形和关于女人下部的露骨描述是必不可少的。一张色情画不知被传看了多少遍,以致变得皱皱巴巴,甚至起了毛边。
……
快铺好啊,
转过身啊,
亲亲嘴啊,
搂成团啊,
好销魂啊,
真累人啊。
誰か歌った。すると、一度で、その歌が海綿にでも吸われるように、皆に覚えられてしまった。何かすると、すぐそれを歌い出した。そして歌ってしまってから、「えッ、畜生!」と、ヤケに叫んだ、眼だけ光らせて。
漁夫達は寝てしまってから、
「畜生、困った! どうしたって眠れないや」と、身体をゴロゴロさせた。「駄目だ、伜(せがれ)が立って!」
有人唱道。结果,只唱一遍,这首歌就像被吸入海绵似的给大家记住了。每有什么就唱了起来。唱完就乱叫一声“唉,畜生!”两眼炯炯发光。渔工们躺下后,有人骨碌碌翻来翻去。“不得了,那小子竖起来了!”
「どうしたら、ええんだ!」――終(しま)いに、そう云って、勃起(ぼっき)している睾丸(きんたま)を握りながら、裸で起き上ってきた。大きな身体の漁夫の、そうするのを見ると、身体のしまる、何か凄惨な気さえした。度胆(どぎも)を抜かれた学生は、眼だけで隅の方から、それを見ていた。
“这可如何是好!”说罢,最后抓着勃起的阴茎,赤裸裸爬起身来。见得大块头渔工这般模样,甚至让人觉得惨不忍睹,身体一阵子发紧。被吓坏的学生工只用眼睛从角落注视这一切。
夢精をするのが何人もいた。誰もいない時、たまらなくなって自涜(じとく)をするものもいた。――棚の隅にカタのついた汚れた猿又(さるまた)や褌(ふんどし)が、しめっぽく、すえた臭をして円められていた。学生はそれを野糞のように踏(ふ)みつけることがあった。
――それから、雑夫の方へ「夜這(よば)い」が始まった。バットをキャラメルに換えて、ポケットに二つ三つ入れると、ハッチを出て行った。
遗精的也有好几个人。也有人趁没人时自慰。床架角落里,带“硬块”的脏裤衩和兜裆布团成一团湿乎乎发着酸臭味儿。学生工有时像踩野粪一样踩在上面。
后来,渔工们开始去杂工那边“私通”。他们用香烟换成糖果,往口袋里塞两三块,走出舱口。
便所臭い、漬物樽(つけものだる)の積まさっている物置を、コックが開けると、薄暗い、ムッとする中から、いきなり横ッ面でもなぐられるように、怒鳴られた。「閉めろッ! 今、入ってくると、この野郎、タタキ殺すぞ!」
厨工打开堆有咸菜坛子的仓房时,当即有一股呛人味儿的昏暗中抛来一句怒骂——怒骂声好像突然砸在脸上:
“关上!再进来看我打死你,混账东西!”
今日主播
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主播/阿花
翻译/林少华
小编/小小铭
责编/日语之声
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