皆さん、こんばんは、ヒマワリです。
今天继续为大家分享日本作家宫泽贤治的短篇小说《橡子与山猫》。
どんぐりと山猫
宮沢賢治
一郎は滝に向いて叫さけびました。
「おいおい、笛ふき、やまねこがここを通らなかったかい。」
一郎对着瀑布大喊:“喂……!吹笛子的,山猫有没有经过这里?”
滝がぴーぴー答えました。
「やまねこは、さっき、馬車で西の方へ飛んで行きましたよ。」
瀑布哔──哔──地回答:“山猫刚刚乘着马车往西方飞奔去了!”
「おかしいな、西ならぼくのうちの方だ。けれども、まあもう少し行ってみよう。ふえふき、ありがとう。」
“奇怪,西方是我家的方向呢。算了,再往前走看看。吹笛子的,谢谢你。”
滝はまたもとのように笛を吹きつづけました。
瀑布又继续吹着它的笛子。
一郎がまたすこし行きますと、一本のぶなの木のしたに、たくさんの白いきのこが、どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。
一郎再往前走了一会儿,来到一株山毛榉树下。树下有一大堆白色蘑菇,正在叮咚叮咚吹奏着奇妙的曲子。
一郎はからだをかがめて、「おい、きのこ、やまねこがここを通らなかったかい。」 とききました。するときのこは「やまねこなら、けさはやく、馬車で南の方へ飛んで行きましたよ。」とこたえました。一郎は首をひねりました。「みなみならあっちの山のなかだ。おかしいな。まあもうすこし行ってみよう。きのこ、ありがとう。」
きのこはみんないそがしそうに、どってこどってこと、あのへんな楽隊をつづけました。
一郎蹲下身问:“喂,蘑菇啊,山猫有没有经过这里?”蘑菇回说:“山猫啊,今天一大早就乘着马车往南方飞奔去了。”一郎歪着头说:“南方不是在那边山里吗?真是奇怪。算了,再往前走看看。蘑菇,谢谢你。”
蘑菇们不回话,继续吹奏起那奇妙的曲子。
一郎はまたすこし行きました。すると一本のくるみの木の梢こずえを、栗鼠りすがぴょんととんでいました。一郎はすぐ手まねぎしてそれをとめて、「おい、りす、やまねこがここを通らなかったかい。」とたずねました。
するとりすは、木の上から、額に手をかざして、一郎を見ながらこたえました。「やまねこなら、けさまだくらいうちに馬車でみなみの方へ飛んで行きましたよ。」
一郎又往前走了一会儿。然后遇见在一株核桃树梢上蹦跳的松鼠。一郎举手招呼松鼠停下来,再问:“喂,松鼠啊,山猫有没有经过这里?”
松鼠抬起手遮在额头上,从树梢俯望着一郎,回说:“山猫啊,天还没亮就乘着马车往南方飞奔去了。”
「みなみへ行ったなんて、二ふたとこでそんなことを言うのはおかしいなあ。けれどもまあもうすこし行ってみよう。りす、ありがとう。」りすはもう居ませんでした。ただくるみのいちばん上の枝えだがゆれ、となりのぶなの葉がちらっとひかっただけでした。
“怎么会是南方?怎么会在两个不同的地方都说是南方呢?算了,再往前走看看。松鼠,谢谢你。”松鼠早已不见踪影。只是核桃树顶端的树梢微微晃动着,旁边山毛榉的叶子忽闪了一下。
一郎がすこし行きましたら、谷川にそったみちは、もう細くなって消えてしまいました。そして谷川の南の、まっ黒な榧かやの木の森の方へ、あたらしいちいさなみちがついていました。一郎はそのみちをのぼって行きました。榧の枝はまっくろに重なりあって、青ぞらは一きれも見えず、みちは大へん急な坂になりました。一郎が顔をまっかにして、汗あせをぽとぽとおとしながら、その坂をのぼりますと、にわかにぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。そこはうつくしい黄金きんいろの草地で、草は風にざわざわ鳴り、まわりは立派なオリーブいろのかやの木のもりでかこまれてありました。
一郎又往前走了一会儿,不过这道延着溪谷的小径早已越走越狭窄,最后竟断绝了去路。所幸溪谷南方另有一道小径,是通往黑森森的香榧树林。一郎顺着小径往上攀登。黑黝黝的香榧树枝重叠在上空,把青空遮得密不通风,小径坡度也变得很陡。一郎满脸通红,汗流浃背地往上攀爬,突然眼前一亮,亮得甚至有点刺眼。原来他来到一片金黄灿灿的草原,草在风中沙沙作响,四周围绕着茂密的橄榄色的香榧树林。
その草地のまん中に、せいの低いおかしな形の男が、膝ひざを曲げて手に革鞭かわむちをもって、だまってこっちをみていたのです。
草地中央,有个身材矮小长相怪异的男人,曲着膝盖,手持皮鞭,一声不响的看着这边。
今天的共读到此结束,感谢大家的收听。
では、おやすみなさい。
本期监制: 日语之声
本期小编: 沫 言
本期主播: ヒ マ ワ リ
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