《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
役に立たない手紙を何通書こうと、それが母の慰安になるなら、手数を厭(いと)うような私ではなかった。けれどもこういう用件で先生にせまるのは私の苦痛であった。私は父に叱(しか)られたり、母の機嫌を損じたりするよりも、先生から見下げられるのを遥(はる)かに恐れていた。あの依頼に対して今まで返事の貰(もら)えないのも、あるいはそうした訳からじゃないかしらという邪推もあった。
如果写几封没用的信能使母亲感到安慰的话,我并不怕麻烦。但是把这种事情强加给先生,却使我很痛苦。我觉得被先生看不起,要比挨父亲训斥、惹母亲生气更可怕得多。我也疑惑过,至今没收到先生的回信,不知是否就是这个原因。
「手紙を書くのは訳はないですが、こういう事は郵便じゃとても埒(らち)は明きませんよ。どうしても自分で東京へ出て、じかに頼んで廻(まわ)らなくっちゃ」
「だってお父さんがあの様子じゃ、お前、いつ東京へ出られるか分らないじゃないか」
“写封信很简单,可这种事不是写信能轻易办成的。无论如何得亲自到东京去一趟,直接托付人家才行。”
“可你爹病得这样,你还不知什么时候能到东京去呢!”
「だから出やしません。癒(なお)るとも癒らないとも片付かないうちは、ちゃんとこうしているつもりです」
「そりゃ解(わか)り切った話だね。今にもむずかしいという大病人を放(ほう)ちらかしておいて、誰が勝手に東京へなんか行けるものかね」
“所以我没走啊!我想,不管爹能不能好,在还没有理出头绪之前,就先这样吧。”
“这话倒也是哪。观在谁能放着这么难得好的重病人不管,径自跑到东京去呢。”
私は始め心のなかで、何も知らない母を憐(あわ)れんだ。しかし母がなぜこんな問題をこのざわざわした際に持ち出したのか理解できなかった。私が父の病気をよそに、静かに坐ったり書見したりする余裕のあるごとくに、母も眼の前の病人を忘れて、外(ほか)の事を考えるだけ、胸に空地(すきま)があるのかしらと疑(うたぐ)った。その時「実はね」と母がいい出した。
我开始暗暗怜悯无知的母亲。但是,我不能理解她为什么偏偏在这样乱糟糟的时候,提出这种问题,正如我把父亲的疾病抛在一旁,还有静坐、读书的余暇;大概母亲也有闲工夫思考别的事情,而忘了眼前的病人吧。这时,母亲又说:“实际上,……”
「実はお父さんの生きてお出(いで)のうちに、お前の口が極(きま)ったらさぞ安心なさるだろうと思うんだがね。この様子じゃ、とても間に合わないかも知れないけれども、それにしても、まだああやって口も慥(たし)かなら気も慥かなんだから、ああしてお出のうちに喜ばして上げるように親孝行をおしな」
憐れな私は親孝行のできない境遇にいた。私はついに一行の手紙も先生に出さなかった。
“实际上,我是想,你要是能在你爹活着的时候找到工作,他也就放心了吧。看样子,也许真的赶不上了。不过还是试一试,要是真能找到工作,他心里也就踏实了。这样一来,让他活着的时候高兴高兴,也算尽到你的孝心了。”
可怜的我竟落到了不能尽孝心的地步,终于连一行字也没给先生写。
主播介绍
本期主播:YC
本期编辑:LMN
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