亲爱的小伙伴们,大家晚上好,
今天由 小野主播 继续为我们带来《女生徒》~
では、はじめましょう!
太宰治---《女生徒》
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出がけに、うちの門のまえの草を、少しむしって、お母さんへの勤労奉仕(きんろうほうし)。きょうは何かいいことがあるかも知れない。同じ草でも、どうしてこんな、むしりとりたい草と、そっと残して置きたい草と、いろいろあるのだろう。可愛い草と、そうでない草と、形は、ちっとも違っていないのに、それでも、いじらしい草と、にくにくしい草と、どうしてこう、ちゃんとわかれているのだろう。理窟(りくつ)はないんだ。女の好ききらいなんて、ずいぶんいい加減なものだと思う。十分間の勤労奉仕をすまして、停車場(ていしゃじょう)へ急ぐ。畠道(はたけみち)を通りながら、しきりと絵が画きたくなる。途中、神社の森の小路(こうじ)を通る。これは、私ひとりで見つけて置いた近道である。
出门时,稍微拔了一下门前的草,算是帮了妈妈的忙,也许今天会有什么好事发生也说不定。同样是草,为何会有被拔去的和放着生长的草呢?既然可爱与不可爱的草外形并没什么不同,为何一定要区分喜欢和讨厌的草呢?没什么道理。女人的喜欢或讨厌,实在是太任性了。忙了十分钟后,我便急急地赶往停车场。穿过走道时,总是很想要写生。途中经过神社的森林小路。这是我新发现的快捷方式。
森の小路を歩きながら、ふと下を見ると、麦(むぎ)が二寸ばかりあちこちに、かたまって育っている。その青々した麦を見ていると、ああ、ことしも兵隊さんが来たのだと、わかる。去年も、たくさんの兵隊さんと馬がやって来て、この神社の森の中に休んで行った。しばらく経ってそこを通ってみると、麦が、きょうのように、すくすくしていた。けれども、その麦は、それ以上育たなかった。ことしも、兵隊さんの馬の桶(おけ)からこぼれて生えて、ひょろひょろ育ったこの麦は、この森はこんなに暗く、全く日が当らないものだから、可哀想に、これだけ育って死んでしまうのだろう。
走在林间小路上,不经意地往下看,小麦苗以两英寸的间隔到处生长。一看到青梗小麦苗,就知道今年军队来过这边。去年也有大批军队和马匹驻扎在神社森林里休息。过一阵子后来到这儿看看,小麦就像今天一样很快地生长。这些麦苗并不会再继续生长,今年这些同样从军队的桶子中掉落出的小麦,在昏暗的森林里,完全照不到阳光,煞是可怜,这样下去一定会死掉。
神社の森の小路を抜けて、駅近く、労働者四、五人と一緒になる。その労働者たちは、いつもの例で、言えないような厭な言葉を私に向かって吐きかける。私は、どうしたらよいかと迷ってしまった。その労働者たちを追い抜いて、どんどんさきに行ってしまいたいのだが、そうするには、労働者たちの間を縫(ぬ)ってくぐり抜け、すり抜けしなければならない。おっかない。それと言って、黙って立ちんぼして、労働者たちをさきに行かせて、うんと距離のできるまで待っているのは、もっともっと胆力の要(い)ることだ。それは失礼なことなのだから、労働者たちは怒るかも知れない。
离开神社的森林小路,在车站的附近,我碰到了四五名工人。这些工人,一如往常对我说些口没遮拦的脏话,使我不知如何是好。虽然想超过这些工人先行离去,但若这么做,势必又得钻过他们之间的缝隙,与他们擦身而过,好可怕。不过,话虽如此,若只是站着不动,让工人先行离去,自己再保持一定的距离,还是需要足够的胆识。可是这样的行为有些失礼,也许工人们会感到很生气。
からだは、カッカして来るし、泣きそうになってしまった。私は、その泣きそうになるのが恥ずかしくて、その者達に向かって笑ってやった。そして、ゆっくりと、その者達のあとについて歩いていった。そのときは、それ限りになってしまったけれど、その口惜(くや)しさは、電車に乗ってからも消えなかった。こんなくだらない事に平然となれるように、早く強く、清く、なりたかった。
我的身体开始战栗,几乎要哭了出来。我对这种哭泣感到很不好意思,勉强向他们笑了笑后,慢慢地走在他们后面。尽管那时候我只能这么做,但懊悔并未随着乘电车而消逝。真希望自己能早日对这些无聊的事淡然处之,变得坚强而美丽。
本期主播
主播/小野
小编/小小铭
责任编辑/日语之声
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