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【日语共读】《挪威的森林》连载(30)

【日语共读】《挪威的森林》连载(30)

作者: 日语之声 | 来源:发表于2018-12-27 01:43 被阅读5次

    01

        

       たぶん彼女は僕に何かを伝えたがっているのだろうと僕は考えるようになった。でも直子はそれをうまく言葉にすることができないのだ、と。いや、言葉にする以前に自分の中で把握することができないのだ。だからこそ言葉が出てこないのだ。そして彼女はしょっちゅう髪どめをいじったり、ハンカチで口もとを拭いたり、僕の目をじっと意味もなくのぞきこんだりしているのだ。もしできることなら直子を抱きしめてやりたいと思うこともあったが、いつも迷った末にやめた。ひょっとしたらそのことで直子が傷つくんじゃないかという気がしたからだ。そんなわけで僕らはあいもかわらず東京の町を歩きつづけ、直子は虚空の中に言葉を探し求めつづけた。

       我想,她大约是想要向我表达某种感觉罢,因为直子无法用言语将它顺畅地表达出来,不!在尚未转换成言语之前,她仍不能在精神上掌握它。所以便无法用言语来表达了。她时常拨弄发夹,用手帕抹嘴、或没来由地凝视着我。我也常想,倘若可能的话,希望能够抱一抱直子,但总是犹豫了半天便作罢了。因为也许直子会因而受到伤害也未可知。因此我们仍照旧在东京街头闲荡,而直子也照旧在虚无飘渺中寻找适当的措词。

       寮の連中は直子から電話がかかってきたり、日曜の朝に出かけたりすると、いつも僕を冷やかした。まあ当然といえば当然のことだが、僕に恋人ができたものとみんな思いこんでいたのだ。説明のしようもないし、する必要もないので、僕はそのままにしておいた。夕方に戻ってくると必ず誰かがどんな体位でやったかとか彼女のあそこはどんな具合だったかとか下着は何色だったかとか、そういう下らない質問をし、僕はそのたびにいい加減に答えておいた。

    每当直子打电话来,或是星期天早上出去约会,宿舍那伙人便老是嘲笑我。理所当然地,大伙儿都以为我交了女朋友了。我既没有说明,也觉得无此必要,只得由他们去了,可是傍晚一回去,一定有人会问一些无聊的问题,好比说:你们采什么姿势啦、她的私处可不可爱啦、她穿什么颜色的内裤等等,我总是随便搪塞两句就过去了。 


    02

      そのようにして僕は十八から十九になった。日が上り日が沈み、国旗が上ったり下ったりした。そして日曜日が来ると死んだ友だちの恋人とデートした。いったい自分が今何をしているのか、これから何をしようとしているのかさっぱりわからなかった。大学の授業でクローデルを読み、ラシーヌを読み、エイゼンシュテインを読んだが、それらの本は僕に殆んど何も訴えかけてこなかった。僕は大学のクラスでは一人も友だちを作らなかったし、寮でのつきあいも通りいっぺんのものだった。寮の連中はいつも一人で本を読んでいるので僕が作家になりたがっているんだと思いこんでいるようだったが、僕はべつに作家になんてなりたいとは思わなかった。何にもなりたいとは思わなかった。   

    如此这般,我从十八到十九。眼看着日升日落、旗升旗降。星期天一到,就和过世的朋友的恋人约会。我一点儿也不知道自己到底在做什么,将来想做什么。在学校里我是读过克罗德(译注:PaulClaudel,一八六八一九五五年,法国诗人、剧作家)、拉辛(译注:一六三九一六九九年,法国剧作诗人)还有艾杰休亭(译注:一八九八一九四八年,俄国电影导演、电影理论家)等人的作品,但那些东西却丝毫无法打动我。而我在班上既未曾交上一个朋友,和宿舍那伙人也不过是泛泛之交罢了。再加上我总是一个人静静地看书,他们全以为我想当个作家。

    其实我并不特别想当作家,我什么也不想当。




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