心
《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「先生先生というのは一体誰(だれ)の事だい」と兄が聞いた。
“总说先生、先生的,到底是谁?”哥哥问我。
「こないだ話したじゃないか」と私(わたくし)は答えた。
我回答说:“不是前几天说过了吗?”
私は自分で質問をしておきながら、すぐ他(ひと)の説明を忘れてしまう兄に対して不快の念を起した。
我对哥哥有点懊恼,抱怨他明明问过了,却马上又忘了人家告诉他的话。
「聞いた事は聞いたけれども」
“问倒是问过。”
兄は必竟(ひっきょう)聞いても解(わか)らないというのであった。私から見ればなにも無理に先生を兄に理解してもらう必要はなかった。けれども腹は立った。また例の兄らしい所が出て来たと思った。
他的意思是虽然问了可是不理解。我却觉得根本没有必要勉强让他理解先生。可他生了我的气,我想他又露出以往的老样子。
先生先生と私が尊敬する以上、その人は必ず著名の士でなくてはならないように兄は考えていた。少なくとも大学の教授ぐらいだろうと推察していた。
在哥哥看来,既然我那么先生、先生地尊敬的先生,想必是个知名人士,至少也该是位大学教授吧。
名もない人、何もしていない人、それがどこに価値をもっているだろう。
既没有名气,又什么都不做的人,那有什么价值呢?
兄の腹はこの点において、父と全く同じものであった。
在这一点上,哥哥的心理同父亲如出一辙。
けれども父が何もできないから遊んでいるのだと速断するのに引きかえて、兄は何かやれる能力があるのに、ぶらぶらしているのは詰(つま)らん人間に限るといった風(ふう)の口吻(こうふん)を洩(も)らした。
但是,父亲是轻率地断定先生是个无能之辈才游手好闲的;相反,哥哥露出的口气,仿佛先生虽然有点才能,却不过是个游手好闲的无聊的人。
「イゴイストはいけないね。何もしないで生きていようというのは横着な了簡(りょうけん)だからね。
“egoist(注:利己主义者)可不行。想活着什么都不干,那是懒汉思想。
人は自分のもっている才能をできるだけ働かせなくっちゃ嘘(うそ)だ」
一个人要是不能最大限度地发挥自己的才能,就是欺骗。”
私は兄に向かって、自分の使っているイゴイストという言葉の意味がよく解(わか)るかと聞き返してやりたかった。
我很想顶他一句,你懂不懂你说的egoist这个词的意思?
「それでもその人のお蔭(かげ)で地位ができればまあ結構だ。お父(とう)さんも喜んでるようじゃないか」
“不过,如果能靠他找个职业倒也不错。咱爹不也象很高兴么?”
兄は後からこんな事をいった。先生から明瞭(めいりょう)な手紙の来ない以上、私はそう信ずる事もできず、またそう口に出す勇気もなかった。
后来哥哥又这样说。既然没接到先生的明确的来信,我也不能信以为真,自然也没有勇气说什么。
それを母の早呑(はやの)み込(こ)みでみんなにそう吹聴(ふいちょう)してしまった今となってみると、私は急にそれを打ち消す訳に行かなくなった。
母亲嘴快,把这事向大家吹了出来,事到如今我也不好马上否认了。
私は母に催促されるまでもなく、先生の手紙を待ち受けた。
用不着母亲催促,我早就在等候先生的回信。
そうしてその手紙に、どうかみんなの考えているような衣食の口の事が書いてあればいいがと念じた。
而且盼望如果这封信能带来大家盼望的解决糊口的职业,那就好了。
私は死に瀕(ひん)している父の手前、その父に幾分でも安心させてやりたいと祈りつつある母の手前、働かなければ人間でないようにいう兄の手前、その他(た)妹(いもと)の夫だの伯父(おじ)だの叔母(おば)だのの手前、私のちっとも頓着(とんじゃく)していない事に、神経を悩まさなければならなかった。
在濒死的父亲面前,在为父亲哪怕能求得一点点安宁而祈祷的母亲面前,在认为不做事便枉自为人的哥哥面前,在妹夫、叔伯、婶母面前,我不能不为这没有一点着落的事情而大伤脑筋。
主播介绍
本期主播:草微
本期编辑:LMN
责任编辑:日语之声
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