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【日语共读】《心》夏目漱石(147)

【日语共读】《心》夏目漱石(147)

作者: 日语之声 | 来源:发表于2019-03-11 23:36 被阅读1次

           《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

        「Kと私(わたくし)は同じ科へ入学しました。Kは澄ました顔をして、養家から送ってくれる金で、自分の好きな道を歩き出したのです。知れはしないという安心と、知れたって構うものかという度胸とが、二つながらKの心にあったものと見るよりほか仕方がありません。Kは私よりも平気でした。

        最初の夏休みにKは国へ帰りませんでした。駒込(こまごめ)のある寺の一間(ひとま)を借りて勉強するのだといっていました。私が帰って来たのは九月上旬でしたが、彼ははたして大観音(おおがんのん)の傍(そば)の汚い寺の中に閉(と)じ籠(こも)っていました。彼の座敷は本堂のすぐ傍の狭い室(へや)でしたが、彼はそこで自分の思う通りに勉強ができたのを喜んでいるらしく見えました。私はその時彼の生活の段々坊さんらしくなって行くのを認めたように思います。彼は手頸(てくび)に珠数(じゅず)を懸けていました。私がそれは何のためだと尋ねたら、彼は親指で一つ二つと勘定する真似(まね)をして見せました。彼はこうして日に何遍(なんべん)も珠数の輪を勘定するらしかったのです。ただしその意味は私には解(わか)りません。円い輪になっているものを一粒ずつ数えてゆけば、どこまで数えていっても終局はありません。Kはどんな所でどんな心持がして、爪繰(つまぐ)る手を留めたでしょう。詰(つま)らない事ですが、私はよくそれを思うのです。

        K和我上的是同一学科。K若无其事地花着养父家送来的钱,走上了自己喜好的道路。在他胸中同时存在着瞒着养父的坦然和被发现也不在乎的胆量,我只好眼睁睁地瞧着,而他却比我更平静。

        头一个暑假K没有回家,他说要在驹込(东京地名)的某寺院里借一间房子学习。我从家乡归来已是九月上旬。果然他把自己关在大观音旁的一座肮脏的寺院中。他住的是一间紧挨着正殿的狭窄的斗室。他在那里随心所欲地学习,似乎很愉快的样子。那时他手腕上挂了一串念珠,我觉得他的生活真的渐渐象个和尚了。我问他,这是干什么的,他就学着和尚的样子用拇指一个两个地数着给我看,仿佛他就是这样每天多少次地数下去。我不知道这有什么意义。念珠是圆串,数到哪儿也不会有个完哪。虽然觉得无聊,我却常常在想K是数到什么地方,以怎样的心情才停下来呢。

     私はまた彼の室に聖書を見ました。私はそれまでにお経(きょう)の名を度々(たびたび)彼の口から聞いた覚えがありますが、基督教(キリストきょう)については、問われた事も答えられた例(ためし)もなかったのですから、ちょっと驚きました。私はその理由(わけ)を訊(たず)ねずにはいられませんでした。Kは理由はないといいました。これほど人の有難(ありがた)がる書物なら読んでみるのが当り前だろうともいいました。その上彼は機会があったら、『コーラン』も読んでみるつもりだといいました。彼はモハメッドと剣という言葉に大いなる興味をもっているようでした。

        在他的房间里,我又发现了圣经。记得以前我常常听他说过一些经书的名称,但是关于基督教,既没有问过我,也没有提过,因此我有点惊诧。我禁不住问他为什么看这书,他说不为什么,也说过这样对人有益的书籍当然要读读啦。而且他还说如果有机会,可兰经也想看看呢。仿佛他对穆罕默德也饶有兴趣似的。

       

    主播介绍

    本期主播:Reno

    本期编辑:LMN

    责任编辑:日语之声

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