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【日语共读】《心》夏目漱石(114)

【日语共读】《心》夏目漱石(114)

作者: 日语之声 | 来源:发表于2019-01-12 01:06 被阅读2次

           《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

         母は無論父の罹(かか)った病気の恐るべき名前を知っていたのです。そうして、自分がそれに伝染していた事も承知していたのです。けれども自分はきっとこの病気で命を取られるとまで信じていたかどうか、そこになると疑う余地はまだいくらでもあるだろうと思われるのです。その上熱の高い時に出る母の言葉は、いかにそれが筋道の通った明らかなものにせよ、一向(いっこう)記憶となって母の頭に影さえ残していない事がしばしばあったのです。だから……しかしそんな事は問題ではありません。ただこういう風(ふう)に物を解きほどいてみたり、またぐるぐる廻(まわ)して眺(なが)めたりする癖(くせ)は、もうその時分から、私にはちゃんと備わっていたのです。それはあなたにも始めからお断わりしておかなければならないと思いますが、その実例としては当面の問題に大した関係のないこんな記述が、かえって役に立ちはしないかと考えます。あなたの方でもまあそのつもりで読んでください。この性分(しょうぶん)が倫理的に個人の行為やら動作の上に及んで、私は後来(こうらい)ますます他(ひと)の徳義心を疑うようになったのだろうと思うのです。それが私の煩悶(はんもん)や苦悩に向って、積極的に大きな力を添えているのは慥(たし)かですから覚えていて下さい。

         母亲当然知道父亲患的这种病的可怕名称,而且知道自己也传染上了这种病。然而她是否相信自己一定会为此而送命呢,一想到这里,我多少总有些怀疑。而且母亲发高烧时说的话,不管怎样的有条理,可在她的头脑里常常连一点记忆的影子也没有留下,所以……然而问题并不在这里,只是这样分析事物,瞻前顾后、观察事物的秉性,我从那时就已经完全具备了。这一点也是我一开始就应该告诉你的,做为实例同眼下要谈的问题没有多大关系的叙述,反而会有所帮助。就请你带着这种观念往下看吧。我想这种天性在伦理道德上给我的行为动作带来了影响,便使我后来越发怀疑别人的道德心了。请你记住,正是它使我的烦闷和苦恼有增无已。

     話が本筋(ほんすじ)をはずれると、分り悪(にく)くなりますからまたあとへ引き返しましょう。これでも私はこの長い手紙を書くのに、私と同じ地位に置かれた他(ほか)の人と比べたら、あるいは多少落ち付いていやしないかと思っているのです。世の中が眠ると聞こえだすあの電車の響(ひびき)ももう途絶(とだ)えました。雨戸の外にはいつの間にか憐(あわ)れな虫の声が、露の秋をまた忍びやかに思い出させるような調子で微(かす)かに鳴いています。何も知らない妻(さい)は次の室(へや)で無邪気にすやすや寝入(ねい)っています。私が筆を執(と)ると、一字一劃(かく)ができあがりつつペンの先で鳴っています。私はむしろ落ち付いた気分で紙に向っているのです。不馴(ふな)れのためにペンが横へ外(そ)れるかも知れませんが、頭が悩乱(のうらん)して筆がしどろに走るのではないように思います。

      话一离开本题就不好理解了,还是返回原题往下说吧。我认为即使是这样,我写这封长信,如果同其他地位与我相同的人比较,我多少还算平静些呢。整个世界都在沉睡,电车的声响也消失了。窗外不知不觉地响起昆虫的可怜的低鸣,那声调令人感到仿佛在为露水之秋黯然神伤。什么都没有觉察到的妻在隔壁静静地天真地睡在梦中。我手握笔杆,一笔一划地写着,笔尖沙沙作响。伏在纸前,我索性沉静下来。也许是因为不习惯,笔尖常常划到格线外,但我觉得这不是由于头脑混乱笔不听使唤所致。



    主播介绍

    本期主播:棕残

    本期编辑:LMN

    责任编辑:日语之声

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