《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「奥さんのこの態度が自然私の気分に影響して来ました。しばらくするうちに、私の眼はもとほどきょろ付かなくなりました。自分の心が自分の坐(すわ)っている所に、ちゃんと落ち付いているような気にもなれました。要するに奥さん始め家(うち)のものが、僻(ひが)んだ私の眼や疑い深い私の様子に、てんから取り合わなかったのが、私に大きな幸福を与えたのでしょう。私の神経は相手から照り返して来る反射のないために段々静まりました。
“夫人的这种态度,自然影响了我的心情。没过多久,我的眼睛不象以前那样猜疑了。似乎我的心也在这里坦然地平静下来。总之,夫人和家里人根本没有理会我那乖僻的眼神和疑虑深重的样子,便给了我很大慰藉。由于我的神经没有得到对方相应的反射,所以便逐渐平静下来了。
奥さんは心得のある人でしたから、わざと私をそんな風(ふう)に取り扱ってくれたものとも思われますし、また自分で公言するごとく、実際私を鷹揚(おうよう)だと観察していたのかも知れません。私のこせつき方は頭の中の現象で、それほど外へ出なかったようにも考えられますから、あるいは奥さんの方で胡魔化(ごまか)されていたのかも解(わか)りません。
我觉得夫人是个明事理的人,才故意这般对待我的。也许如她所说,真的把我看作是一个大方的人。或许是我小器的地方只在头脑中,并没有表露出来,所以说不定还是她被蒙蔽了。
私の心が静まると共に、私は段々家族のものと接近して来ました。奥さんともお嬢さんとも笑談(じょうだん)をいうようになりました。茶を入れたからといって向うの室(へや)へ呼ばれる日もありました。また私の方で菓子を買って来て、二人をこっちへ招いたりする晩もありました。私は急に交際の区域が殖(ふ)えたように感じました。それがために大切な勉強の時間を潰(つぶ)される事も何度となくありました。不思議にも、その妨害が私には一向(いっこう)邪魔にならなかったのです。奥さんはもとより閑人(ひまじん)でした。お嬢さんは学校へ行く上に、花だの琴だのを習っているんだから、定めて忙しかろうと思うと、それがまた案外なもので、いくらでも時間に余裕をもっているように見えました。それで三人は顔さえ見るといっしょに集まって、世間話をしながら遊んだのです。
随着心境的平复,我渐渐同她们接近起来,甚至能同夫人和小姐开开玩笑了。有时候她们请我到她们屋里喝茶,也有时候我晚上买了点心,请她们到我这里来。我忽然觉得交际范围扩大了,为此我不知多少次浪费了宝贵的学习时间。可奇怪的是,我竟丝毫没有把这种妨碍当成负担。夫人本来就无事赋闲,小姐除了上学,还学习插花和弹琴。原以为她一定很忙,然而又意外地,似乎总有很多空余的时间。于是三个人一见面便凑在一起,闲聊着玩。
主播介绍
本期主播:行天
本期编辑:LMN
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