人们的心里有两种互相矛盾的感情。当然,没有人对旁人的不幸不寄予同情的。但是当那个人设法摆脱了不幸之后,这方面却又不知怎地觉得若有所失了。说得夸大一些,甚至想让那个人再度陷入以往的不幸。于是,虽说态度是消极的,却在不知不觉之间对那个人怀起敌意来了。——内供尽管不晓得个中奥妙,然而感到不快,这无非是因为他从池尾的僧俗的态度中觉察到了旁观者的利己主义。
——《鼻子》·芥川龙之介
皆さん、こんばんは、zoeです。
听众朋友们大家晚上好,我是今天共读栏目的主播zoe。今天我们继续共读日本作家芥川龙之介先生的《鼻子》。では、一緒に聞きましょう。
鼻子芥川龍之介
内供はなまじいに、鼻の短くなったのが、かえって恨うらめしくなった。
鼻子短了反倒叫内供后悔不迭。
するとある夜の事である。日が暮れてから急に風が出たと見えて、塔の風鐸ふうたくの鳴る音が、うるさいほど枕に通かよって来た。その上、寒さもめっきり加わったので、老年の内供は寝つこうとしても寝つかれない。そこで床(とこ)の中でまじまじしていると、ふと鼻がいつになく、むず痒かゆいのに気がついた。手をあてて見ると少し水気すいきが来たようにむくんでいる。どうやらそこだけ、熱さえもあるらしい。
一天晚上,大概是日暮之后骤然起了风,塔上风铃的嘈音传到枕边来。再加上天气一下子也冷下来了,年迈的内供睡也睡不着。他在被窝里翻腾,忽然觉得鼻子异乎寻常地痒,用手一摸,有些浮肿,那儿甚至似乎还发热呢。
無理に短うしたで、病(やまい)が起ったのかも知れぬ。
内供は、仏前に香花こうげを供そなえるような恭うやうやしい手つきで、鼻を抑えながら、こう呟いた。
内供以在佛前供花那种虔诚的姿势按着鼻子,嘟囔道:“也许是因为硬把它弄短,出了什么毛病吧。”
翌朝、内供がいつものように早く眼をさまして見ると、寺内(じない)の銀杏いちょうや橡とちが一晩の中(うち)に葉を落したので、庭は黄金きんを敷いたように明るい。塔の屋根には霜(しも)が下りているせいであろう。まだうすい朝日に、九輪くりんがまばゆく光っている。禅智内供は、蔀しとみを上げた縁(えん)に立って、深く息をすいこんだ。
第二天,内供像往常一样一大早就醒了。睁眼一看,寺院里的银杏和七叶树一夜之间掉光了叶子,庭园明亮得犹如铺满了黄金。恐怕是由于塔顶上降了霜的缘故吧,九轮在晨曦中闪闪发光。护屏已经打开了,禅智内供站在廊子里深深地吸了一口气。
ほとんど、忘れようとしていたある感覚が、再び内供に帰って来たのはこの時である。
就在这当儿,内供又恢复了某种几乎忘却了的感觉。、
内供は慌てて鼻へ手をやった。手にさわるものは、昨夜ゆうべの短い鼻ではない。上唇の上から顋あごの下まで、五六寸あまりもぶら下っている、昔の長い鼻である。内供は鼻が一夜の中に、また元の通り長くなったのを知った。そうしてそれと同時に、鼻が短くなった時と同じような、はればれした心もちが、どこからともなく帰って来るのを感じた。
こうなれば、もう誰も哂わらうものはないにちがいない。
内供は心の中でこう自分に囁ささやいた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。
他赶紧伸手去摸鼻子。摸到的不是昨天晚上的短鼻子了,而是以前那只长鼻子,从上唇一直垂到颚下,足有五六寸长。内供知道自己的鼻子一夜之间又跟过去一样长了。同时他感到,正如鼻子缩短了的时候那样,不知怎地心情又爽朗起来。 内供在黎明的秋风中晃荡着长鼻子,心里喃喃自语道:“这样一来,准没有人再笑我了。”
(大正五年一月)
好了,皆さん、芥川龙之介先生的《鼻子》到此结束,感谢大家的收听。对于内供的虚伪和可悲,三类旁观者的利己主义,大家都有何感受呢?
では、おやすみなさい。
本期监制: 日语之声
本期小编: 沫 言
本期主播: z o e
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