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【日语共读】《心》夏目漱石(124)

【日语共读】《心》夏目漱石(124)

作者: 日语之声 | 来源:发表于2019-01-30 04:51 被阅读1次

       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。

    遺憾(いかん)ながら私は今その談判の顛末(てんまつ)を詳しくここに書く事のできないほど先を急いでいます。実をいうと、私はこれより以上に、もっと大事なものを控えているのです。私のペンは早くからそこへ辿(たど)りつきたがっているのを、漸(やっ)との事で抑えつけているくらいです。あなたに会って静かに話す機会を永久に失った私は、筆を執(と)る術(すべ)に慣れないばかりでなく、貴(たっと)い時間を惜(おし)むという意味からして、書きたい事も省かなければなりません。

    很遗憾,我为了急着往下叙述,现在还不能把那次谈判的始末详情写在这里。说实在的,还有比这重要的事情等待着我,我的笔尖早就想指向那里,只是勉强才压制住。我永远失去了同你平静谈话的机会,不仅握不惯笔杆,而且从珍惜时间的意义上说,纵然想写也只好割爱。

 あなたはまだ覚えているでしょう、私がいつかあなたに、造り付けの悪人が世の中にいるものではないといった事を。多くの善人がいざという場合に突然悪人になるのだから油断してはいけないといった事を。あの時あなたは私に昂奮(こうふん)していると注意してくれました。そうしてどんな場合に、善人が悪人に変化するのかと尋ねました。私がただ一口(ひとくち)金と答えた時、あなたは不満な顔をしました。私はあなたの不満な顔をよく記憶しています。私は今あなたの前に打ち明けるが、私はあの時この叔父の事を考えていたのです。普通のものが金を見て急に悪人になる例として、世の中に信用するに足るものが存在し得ない例として、憎悪(ぞうお)と共に私はこの叔父を考えていたのです。私の答えは、思想界の奥へ突き進んで行こうとするあなたに取って物足りなかったかも知れません、陳腐(ちんぷ)だったかも知れません。けれども私にはあれが生きた答えでした。現に私は昂奮していたではありませんか。私は冷(ひや)やかな頭で新しい事を口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じています。血の力で体(たい)が動くからです。言葉が空気に波動を伝えるばかりでなく、もっと強い物にもっと強く働き掛ける事ができるからです。

  

    你还记得吧,我曾跟你说过,社会上并没有固定的坏人;很多好人在关键时刻突然变成坏人,因此不可不防。那时,你说我有点兴奋。接下去你又问我好人是在什么情况下变成坏人的。当我只答应了一个‘钱’字的时候,你满脸不高兴的样子,至今我还记得清清楚楚。现在我可以在你面前开诚布公了,那时我想到的就是这位叔叔。这便是普通人见钱马上起歹心的典型,也是世人不可信赖的事例。我就是这样把叔叔同憎恶联系在一起的。我的回答对于正要深入探索思想境界的你来说,也许是不会满足的和陈腐的。但是,在我看来却是活生生的。我现在不是还兴奋着么?我相信用灼热的舌头叙述平凡的道理,要比用冷静的头脑分析新鲜事物更为生动。因为人的身体是靠血液的力量活动的,而语言不仅能传导空气的波动,还更能强烈地摇撼那顽固的事物。

 

主播介绍

本期主播:魏衍

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

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